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幸福(しあわせ) (1964)

LE BONHEUR/HAPPINESS

監督
アニエス・ヴァルダ
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3.71 / 評価:62件

腐敗臭ムンムンの異色映画

悪魔的色彩と今にも画面から飛び出してきそうな迫りくる表情と共に、公開から50年以上経た今でも消える事ない腐敗臭を放つ異色映画

昨年の夏にザジフィルムにてリバイバルされたようですね。
さすがにあの悪夢をスクリーンで味わう体力はなくシネマWOWOWで録っていたのを昨夜観ました。

初見の高校生の頃でさえ既に
物語の起伏を完全無視したように全編に流れるモールアルトの旋律
基調色が存在しないような極彩色画面
素人感丸出し演技
ドアップ撮影の連続、連続
フィルムの繋ぎ目はどこにあるんだ?と思わせるような不気味な編集等々・・
文字通り異様さ満載の鳥肌モノ。
(もしかして悪酔いっとこういう感覚?)と劇場から出た途端、真夏の陽光の中、立ちくらみながら考えたものでした。

何故、奥さんは夫を赦したのか?
愛人マリ―・フランス・ボワイエは甲斐性があるように思えない優柔不断なこの男にどうして魅入られるのか?
どうして奥さん自殺しなければならないのか?
そもそも男には罪の意識はないのか?
愛人は先妻の子供たちとうまくやっていけると本気で思っているのか?
子供たちからいつの日か自分がこの子たちの実母を死に追い込んだと思われる懸念はないのか?

といった初見時の思いは今でも私たちの中に健在ですが、それをこの作品にぶつける事自体が不毛です。
ひとつひとつ解析してもそれは単なる(説明)にしかならず、永久に(腐敗)を進行させていく(幸福しあわせ)という想念の正体がそこにある、とヴァルダは呟きます。

日本映画の重鎮脚本家 猪俣勝人先生は「外国映画名作全史 戦後編」(現代教養文庫)にて本作を紹介する項目でただ一言(恐ろしい)と記した後、(女流監督さんらしいが美貌の持ち主なら尚恐ろしい)と結んでました。
アニエス・ヴァルダが美女かどうかは各々の審美眼に任せるしかありませんが、ホラーよりも恐ろしいハッピーエンドであるのは言うまでもありません。
ただヴァルダの個性的な風貌はジャック・ドゥミ監督の細君としてとてもお似合いですw
更に、このような恐ろしい作品を撮った女流映画監督ヴァルダ自身は外国映画人としては珍しく一度も離婚せずに終生ドゥミ監督と連れ添ったそうです。

詳細評価

物語
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音楽

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