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幸福(しあわせ) (1964)

LE BONHEUR/HAPPINESS

監督
アニエス・ヴァルダ
  • みたいムービー 48
  • みたログ 172

3.71 / 評価:62件

この映画が分からない人こそ“幸福”!

  • bakeneko さん
  • 2009年1月9日 16時44分
  • 閲覧数 798
  • 役立ち度 7
    • 総合評価
    • ★★★★★

モーツアルトの音楽に乗って、天国のように華やかで明るく美しいフランスの田園風景を舞台に綴られる“この世界の或る真理”を見つめた“小さなお話”であります。

「5時から7時までのクレオ」で、繊細で瑞々しいタッチで女性の心理を捉えて、ヌーベルバーグ世代でも随一のバランスと実力を見せたアニエス・ヴァルダの3作目の作品であります。
そして、本作で淡々と進む物語に沿って行った先に提示したことの非凡さで、やはり世界を慄然とさせたのでありました。
この映画は、一切の余分な説明を省いた“画面で語る”手法で、登場人物達の心理に“幾つかの不明瞭な点”を残して観客を困惑させます(その部分がこの映画の肝であります)。そして、これらの解釈について幾通りもの推測が出来ますが、行き着く結論は甘いものだけではないことを予想させます。
前作でも宝石の様な美しいモノクロ画像を見せてくれたジャン・ラビエは、一転して原色の華やかさが圧巻のカラーの映像で、私達の眼を楽しませると同時に、“世界は人の営みと無関係に美しい”ことも怜悧に提示しています。
そして、オープニングからエンデイングまで見事に構成の整った“この抑制の利いたお話”は円環を閉じた後に、“美しいものも冷徹なものも含めた真実”を残し、観客は美しい風景に対して“劇の冒頭とは違った感情でそれを眺めている自分”を見出すのであります。

徹底して甘さのない現実的な本作が女性の手になることに驚かされますが、この冷静な天才女性が“ヌーベルバーグきってのロマンチスト”であるジャック・ドゥミと鴛鴦夫婦だったことも“この世界の不思議さ”を表しているのかもしれません。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 悲しい
  • ロマンチック
  • 不気味
  • 知的
  • 絶望的
  • 切ない
  • セクシー
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