英国特殊作戦執行部とカルカッタ軽騎兵連隊
- hoshi595 さん
- 2019年4月3日 3時33分
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第二次世界大戦中の1943年3月にポルトガル領ゴアで実際に決行された作戦を描いた映画。”ノルマンディー上陸作戦”を描いた「史上最大の作戦」や「プライベート・ライアン」などに比べると、史実とは言え地味な作戦に思えてしまうが、この3月は11日迄に12隻の連合国商船がインド洋でドイツのUボートに撃沈されていて、現地では深刻な問題になっていた。
物語は、この作戦を担った英国特殊作戦執行部(SOE)と実行部隊として活躍した英陸軍の予備部隊である「カルカッタ軽騎兵連隊」の活躍が描かれていく。
監督は、本作品の主役の一人ロジャー・ムーアと組んで「ワイルド・ギース」や「北海ハイジャック」を手掛けたアンドリュー・V・マクラグレン。
「007」シリーズのボンド役の一人として有名なロジャー・ムーアだが、それ以外ではアンドリュー・V・マクラグレンとロジャー・ムーアの三部作とも言える、これらの映画はファンには貴重な作品になっている。初代ボンド役を務めたショーン・コネリーに比べ、あまりに楽観的なボンドを演じたため、最初は馴染めなかったものの、結局七作に出演しボンドのイメージを一新したロジャー・ムーアの別な面を見ることが出来る。
本作品の主役は三人で、「ローマの休日」のグレゴリー・ペックが当時64歳、「旅路」のデヴィッド・ニーヴンが70歳、そして一番若いのがロジャー・ムーアの53歳である。ベテランになったにしても、この顔合わせは豪華でそれぞれ持ち味が発揮されていて楽しめる。
共演は、「逢びき」でセリア・ジョンソンと共演したトレヴァー・ハワード、TVドラマ「おしゃれ(秘)探偵」で知られるパトリック・マクニー、そしてミステリアスな役で本作品の価値を高めているイギリス女優バーバラ・ケラーマンなど多彩な顔ぶれが揃っている。
この作戦の結果は、その後3月に撃沈された連合軍商船は一隻のみという事実が物語っている。戦艦や空母を攻撃するのではなく、物資を運ぶ商船を攻撃するのは”通商破壊作戦”と言われ、ドイツの潜水艦”Uボート”の重要な役割の一つだった。しかし、その裏にある情報収集の攻防も戦争には違いなく、命の重さが身に染みる戦争映画の佳作に仕上がっている。
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