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ジェイコブス・ラダー (1990)

JACOB'S LADDER

監督
エイドリアン・ライン
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  • みたログ 694

3.78 / 評価:285件

死の受容のプロセスを体感する

  • maa00174 さん
  • 2014年12月24日 14時47分
  • 閲覧数 2271
  • 役立ち度 6
    • 総合評価
    • ★★★★★

サイコサスペンス・ホラーの体でありながら、実は「死の受容」という普遍的なテーマを描いた作品でした。

主人公ジェイコブスの行動は末期がんの告知を受けた患者が辿る心理的な変遷を類型化した「死の受容のプロセス」に概ね沿っています。

第1段階 「否認」
第2段階 「怒り」
第3段階 「取引」
第4段階 「抑うつ」
第5段階 「受容」

「否認」から「受容」に至るプロセスで、主人公は同棲中の彼女や軍やかつての戦友に「怒り」、軍に対しては裁判という「取引」を計画し、すべてが破たんして「抑うつ」状態になったところで、天使である整体師の導きにより、亡き愛息と再会し、自らの死を「受容」して天国の階段を上っていきます。

二回以上、鑑賞するとよりはっきりとわかることですが、実はベトナムの戦場シーンだけが「現実」で、そのほかのことがらはジェイコブスの頭の中で起きています。まさしく心理的な変遷を(サスペンス、ホラー調で)描いているわけですね。

そういえば、本サイトの他の方のレビューに「本作がホスピスで活用されている」旨の記述があり、非常に納得しました。最期のときを迎え、多くの葛藤を抱いている方にとっては、ジェイコブスはその人そのものであり、ジェイコブスが辿る心理的変遷は彼らが辿っている、あるいはこれから辿る道です。その先に待つ救済に癒される方も多いのでは、と想像します。

もう一点、本作はキリスト教的なメタファーが多用されてはいますが、それは背景に過ぎないと私は思います。「死の受容」は全人類共通の問題ですからね。
変に宗教がかった作品などと誤解をして未見でいることは、ちょっと損かもしれません。
何よりサスペンス、ホラー映画としても非常に優れているので、まずはそこに乗っかってみてはいかがでしょう。そして、その裏側に周到に用意された死の受容に至るプロセスを体感するのは、心身ともに健康な方にとっても貴重な時間になるのではないでしょうか。

詳細評価

物語
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音楽

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  • 知的
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