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シェルタリング・スカイ (1990)

THE SHELTERING SKY

監督
ベルナルド・ベルトルッチ
  • みたいムービー 73
  • みたログ 527

3.33 / 評価:150件

どうしようもなく退廃的

  • @tkitamoto さん
  • 2021年1月22日 20時05分
  • 役立ち度 0
    • 総合評価
    • ★★★★★

2021年1月。
過去にCSシネフィルWOWOWにて放送された録画を鑑賞した。

私の記憶が確かならば、約30年前の公開当時に新宿「ミラノ座」で観たはずだ。
当時「ラスト・エンペラー」でアカデミー賞を撮った監督の新作であり、音楽も同じ坂本龍一によるものだったから興行的な期待も高かったのではないか?と想像する。
実際の興行成績はわからないが、少なくともよいとは言えなかったはずだ。
間違っても1000人を超える座席数の劇場でかける映画ではない。
だが、予算をかけた大作なので、大劇場に見合ったものであるのも確かである。
おそらくは、「ラスト・エンペラー」のような映画を期待した配給会社も肩透かし食ったようなものだったのだろう。
映画の本質を理解する人にとっては、200人規模の劇場で観るのが妥当ではなかろうか?
・・・当時20歳頃の若輩者の私であるが、そんなことを考えたのではなかったかと、僅かな記憶を思い起こす。

今、再び、この映画を観ると、前半においては、とてもいい映画だという印象を持つ。
いくつものショットが心地よい。
退廃的ではあるものの「ロードムービー」的でもある。
だが、後半、ポールを失ったキットが砂漠を彷徨う場面からは、かなり長い印象で、間延びしている感がある。
主人公同様、この映画も「終わり」を見いだせず彷徨っているかのようだ。

途中、キットがたどり着くホテルが、感染症対策の為、閉鎖されている。
国も時間も異なるが、我々が同様の困難に直面するとは・・・。

勝手な解釈をさせてもらえれば、この映画に「終わり」はない。
だからこそ後半が長くなる必然があったと言える。
ラストシーンのポール・ボウルズ自身による言葉は、別の次元ではあるものの、2021年現在のコロナウィルスという途方も無い困難に直面する我々にも向けられているようにも思える。

退廃的で、過激に官能的で、本当に救いのない映画であり、万人におすすめできる映画ではない。
もし、あなたが、映画に人生の救いの何かを求めているならば、この映画はそれにふさわしくない。
それと対象的に、人生の困難さの中なら希望を見出すことを体感したいならば、この映画をおすすめする。
(ゴダールの「パッション」「軽蔑」なども・・・。)
だが、この映画の最後に希望があるかどうかは、観る者に委ねられている。

詳細評価

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