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(1960)

LE TROU

監督
ジャック・ベッケル
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  • みたログ 270

4.41 / 評価:95件

僕ちゃんは「穴」を抜けて男になるのか?

  • yam***** さん
  • 2015年10月26日 11時27分
  • 閲覧数 445
  • 役立ち度 0
    • 総合評価
    • ★★★★★

重罪犯を収容した刑務所の4人部屋に、5人目の新たなメンバーが加わる。
先住の4人の詳しい素性や罪状は語られないが、目的は一致している。
脱獄である。
実績のあるエキスパートもいる。
この4人はTシャツやタンクトップが良く似合う、 下層階級の臭いがする男達である。
明らかに自分の力で厳しい現実を生き抜いてきたであろう男達である。
男達はタバコや食い物を分け合ったり、身の上話を聞いたりして新入りを仲間として受け入れて行く。
男達は、アイディアと手作り工具と腕力と不屈の魂と結束力で分厚い壁に穴を穿つ。
不可能を可能に変える。

新入りは、4人とは明らかに毛色が異なる。
まず、27歳ともっとも若い。
分不相応な金のライターを持っている。
ボタンダウンシャツにVネックセーターを着ている。
寝る時はパジャマ。
物腰は柔らかく、だれからも「いい青年だ」と言われる男。
30歳の裕福な妻がいるが、17歳の義理の妹に手を出した。
夫婦喧嘩で猟銃が暴発し、軽傷を負った妻から予謀殺人未遂として重罪に問われている。
両親は早くに亡くしたが、祖母に何不自由なく育てられた。
17歳(美人)から愛のこもった差し入れが届く。
車のセールスマンだが、裕福な妻のおかげで豊かな生活を送っている。
つまり、自分の力で生きてきたというよりは、周りの女の庇護のおかげで生きてきたようなタイプ。
男はおそらくそんな自分に嫌気がさし、すべてを捨てる覚悟で17歳の義妹に手を出したのだろう。
その挙句、ほんとにすべてを失った状態である。

男は外に出たい。
外には17歳の女が待っている。
女は自分を愛してくれている。
10年も待つなんて我慢できない。

これがの脱獄への動機である。

新入りに2つの変化が加わる。
まず、17歳がイギリスへ留学に行くと言い出した。
次に、妻が告訴を取り下げると言い出した。

さ、どうする?

仲間(でも外に出たら赤の他人)と一緒に脱獄するのか
それとも仲間を裏切り、妻と元のつまらない鞘に収まるか

さ、どうする?

脱獄して一人の男として裏社会で生きていくのか
それとも仲間を売って「いい青年」として一生妻に頭が上がらない生活を送るのか

さ、どうする?

4人 VS 新入り、どちらの視点に立つかで全く映画の見方が変わる。
他に選択の余地のない4人(ホンモノの「男」) VS 選択を迫られる新人(僕ちゃん)
まさに対比の妙である。

僕ちゃんは穴を抜けて男になるのか?ならないのか?

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 勇敢
  • 切ない
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