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アナザー・カントリー (1983)

ANOTHER COUNTRY

監督
マレク・カニエフスカ
  • みたいムービー 76
  • みたログ 478

3.53 / 評価:165件

栄光と挫折 反発と支配欲 その果て

  • とみいじょん さん
  • 4級
  • 2016年7月17日 23時43分
  • 閲覧数 1423
  • 役立ち度 1
    • 総合評価
    • ★★★★★

青年期におけるアイデンティティ構築のプロセス?

寄宿舎ってこんななのね。寄宿という点で、ハリポタや他のレビュアーの方のように『ト―マの心臓』『摩利と新吾』を連想しながら観てしまいました。
 でも、印象がずいぶん違う。軍人学校を舞台にした『タップス』に近いかな。
 上級生と下級生の格差。下級生はほとんど召使。
 エリート校の寄宿生だから、家柄もお金も程よくある家の子弟で、家では召使・執事なんかがいるんだろうなあ。だけど寄宿舎ではプレスまで自分でやるんだなあ。身だしなみを整えることまで教育の一環なんだなあ、などと映画の趣旨とは違うところで感動、異文化体験をしてしまいました。
 罰も、ムチによるお尻たたき。子供じゃあるまいにって、かえって青年期に子供のような罰を皆の前で与えられる精神的屈辱の方が、肉体的苦痛より痛手とわかっているうえでの罰なんじゃないかと思ってしまいました。
 プライドのみで生きているメンツにとって、プライドを踏みにじられる以上の痛手はないから。
 こうやってエリートを育てていっているのね。「今まで我慢してきたのに、今ここで辞めてたまるか」って、こうやって地位にしがみつく人々も養成しているのか。
 
パブリックスクールでの青年男子の日常を描いている?映画。
 主人公は自信過剰。自分は体制のトップとしてやっていけると思っているし、恋人への愛も想いがコントロールできずにとも見えるが、自分だったらうまくやっていけるというおごりも見える。
 そこに共産主義者に傾倒している青年もいて…。
 群像劇?
 
主人公が自分のアイデンティティを認めるまでを描きたかったのか?
 国の中枢を担うべく育てられたエリートが、何故国を裏切るスパイになったかを描きたかったのか?
 制作国では有名な事件を舞台化したものを映画にした作品らしい。その事件や劇を知らない身には、映画だけは繋がりが見えないところも多い。
 同性愛を扱ってはいると言うが、晴雨堂ミカエルさんのレビューにあるように、他の映画や漫画で描かれる関係性の方が丁寧に描かれており、この映画の描写では、主人公の情熱に浮かれている場面はあるが、一生ものの同性愛者であるようには伝わってこない。母と連れ立つ場面なんかがエピソードとして入っていると、本当の同性愛者と言うより、母との絆を断ち切るため、母への反発の為に一時的に現れる嗜好のように見えてしまう。一過性であっても、かなり強烈に「女なんか愛さない」と思いこむあの時期。

それにしても日本で私が堪能していた漫画の寄宿舎とこの映画の寄宿舎の違い。
 この映画では、栄光を掴むための、権謀・勢力争いがメインに描かれる。
 でも私が熱中していた漫画『ト―マの心臓』にしても、漫画『摩利と新吾』にしても、ヒール役はいるものの、基本、仲間の為に寮生や教員が力を合わせて難局を乗り切ろうとする姿が描き出される。勿論、どうしても恋人としてしか新吾をみられない摩利と、どうしても親友としてしか摩利をみられない新吾という切ない部分他があぶり出されてくるから、ハッピーエンドではないのだけれど。
 実話ベースと、フィクションの違いなのだろうか。

青春の一場面。
上記の漫画や、『タップス』や『トムクルーズ/栄光と挫折』『桜の園』『桐島、部活やめるってよ』とかと比較して観ると面白いかも。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • ゴージャス
  • ロマンチック
  • 知的
  • 切ない
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