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地獄の女囚コマンド (1990)

HIRED TO KILL

監督
ニコ・マストラキス
ピーター・レイダー
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2.50 / 評価:26件

女囚+モデル=コマンドなら地獄も悪くない

  • 二酸化ガンマン さん
  • 2017年2月12日 22時56分
  • 閲覧数 1637
  • 役立ち度 8
    • 総合評価
    • ★★★★★

セブンイレブンで中高年向け男性誌を立ち読みして気付くのは、これらが基本富裕層に向けた雑誌ばかりだということです。
腕時計にしろ靴にしろ鞄にしろ、聞いた事もないようなブランドのものが向こうの棚にあるおにぎりみたいにゴロゴロ並んでいて、一体どこの銀河系のお話なのだろうと思います。
こういう雑誌を愛読している「デキる男たち」が週末に暖炉の前でナポレオンだかロベスピエールだかが入った大きなグラスをくるくる回している時に、コニャックとこんにゃくの区別もつかない私たちはABCマートで買ったニューバランスにデイバッグを担いで2キロ先のゲオまで歩き、今日借りるのを「クラーケンフィールドHAKAISHIN」にしようか「処女シルビア・クリステル初体験」にしようか悩むというそれなりに幸福な時間を過ごしているわけですから、こんな人生だって捨てたものじゃないというわけです。
「デキる男たち」の人生キャッチフレーズが「いい仕事・いいクルマ・いい女」だとしたら、私たちにだってちゃんと3つの大事なキーワードがあります。
「地獄」「女囚」「コマンド」です。
そして神はそんな私たちボンクラに、その魔法の言葉が全部入った映画を届けてくださいました。
「地獄の女囚コマンド」です。

多分作っている人たちだけがカッコいいと思っている安いオープニングから映画は始まります。「シベリア超特急」を思い出します。
主人公はシュワルツェネッガーのパチモンみたいなマッチョ男で、多分元特殊部隊員か何かでしょう。間違ってもマツモトキヨシの店長とかではないと思います。
マッチョが上半身裸で寝ていると電話がなりますが、なんとこいつは拳銃で電話を撃ってしまいます。バカですか。でも結局呼び出されてどっかのオフィスに出かけますが、そこに出てきたのが多分CIAの偉いさんか何からしいジョージ・ケネディだったので、よしこの映画レベル決定!と私の頬が緩みます。彼はアカデミー賞俳優なのに映画の安さを観客に納得させてしまうという、非常に稀有な存在です。「ゴースト血のシャワー」や「テンタクルズ」に出ているので言い訳はききません。
マッチョはジョージにどこかの国の独裁者暗殺を依頼されますが、その方法が振るっています。
独裁者は用心深いので男を連れてゆくとバレる、だからマッチョを売れっ子ファッションデザイナーに仕立て、モデルのふりをした女どもを引き連れてショーをやり、油断した独裁者をぶっ殺せというのです。
バカですか。そんなリスクだらけの事をやるより、反戦活動グループでない方のシールズあたりを秘密裏に潜入させて実行した方がよほど成功率が高くコストも安く済みます。
しかもファッションブランドを短期間で独裁者がいる国家まで浸透させるという魔法のようなマーケティングなど、サービス残業が当たり前だった頃の電通にだって出来ないでしょう。いくらCIAがチリのアジェンデ政権転覆を裏で画策したスキルがあっても、ブランディングはもとよりいちばん肝心な「デザイン」までを手掛ける事は不可能です。トム・フォードが何人いても足りるものではありません。
しかしそんな事を言っていると、せっかくの魔法の言葉から「女囚」が消えてしまうのです。
そういうわけで、マッチョは世界中の刑務所から女たちを免責と引き換えにスカウトしてきます。お待たせしました。ボンクラ大好き「女囚」の登場です。

というわけで連れてきた女どもの特訓が始まります。彼女たちがM16ライフルをへっぴり腰の腰だめでフルオート射撃する絶対ガンコディネイター不在な訓練シーンと、同じ女たちが着飾ってファッションショーのリハをするシーンが交互に描かれるという、エイゼンシュテインでも思いつかないだろう驚愕のモンタージュが私たちを爆笑に誘います。
というわけで一同は某国に入国し、とても独裁者が恐怖政治を敷いているとは思えない陽気な街並みを歩いたりゲイのデザイナーに扮したマッチョが女言葉を発したり(吹き替えは大塚明夫氏)女が水着になったりプールでケンカしたり照明ピカピカのすごく明るい洞窟に行ったり明日襲撃だと言うのに革命派のゲリラと楽しい夜を過ごしたり地雷を踏んでも普通に助かったり誰かが裏切ったり寝返ったり撃ったり刺したり殺したり死んだりとまあどうでもいい展開になりますが、後はいいですね。
ところでどういうわけか、独裁者をオリヴァー・リード、投獄されている革命派の爺さんをホセ・フェラーという名優が演じていてびっくりです。ラストの襲撃はM16ライフルにUZI、MP5、M1カービンにストーナーM63と武器もバラバラで予備の弾倉を持っている様子もなく、例によって敵は弾に当たりにやってくるので私も参加したくなりました。
女囚兼モデルたちがコマンドしてくれる戦場なら、地獄もそんなに悪くないかもしれませんね。

詳細評価

物語
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