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7月4日に生まれて (1989)

BORN ON THE FOURTH OF JULY

監督
オリヴァー・ストーン
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  • みたログ 2,764

3.42 / 評価:578件

オリバー・ストーンの描く反戦思想

  • oir***** さん
  • 2020年3月28日 22時03分
  • 閲覧数 464
  • 役立ち度 0
    • 総合評価
    • ★★★★★

まず2時間30分弱という長尺ものでも意外に見疲れせず最後まで集中できたことに驚く。
1.2倍速視聴ということを差し引いても、濃密でありながら冗長にならないような目配せが感じられた。

子供の頃の描写が結構長いが、主人公トム・クルーズがベトナム戦争兵に志願した動機と学友との関係性を描くという意味で重要。
ベトナム戦線でのエピソードは他映画経験などあれば見慣れた感はあるものの、味方を誤射するパターンは初めてか。
米国帰還後の入院シーンでオッと思ったのが重度身障者の肉体洗浄および排便シーン。ああやるんだね・・・
退院後、家に帰ってから反戦運動に直面し苦悩・懊悩する場面、そしてメキシコへのいわば逃避旅行における同様の境遇者(デフォー)との出会いや性遊戯などの”リフレッシュ体験”(←単なる堕落という趣とは異なる)。

以上の展開は十分劇的な描写がなされてはいるが、個人的な感情体験という点では比較的フラット。しかし、一番最初に書いた通り情報が密に積み込まれていることと、冗長と感じさせない巧みさの為かネガティブな印象は生じていない。

そして、誤射殺害した兵士の家族を訪ね真実を告げる場面が一つのクライマックス。
その以前から手紙をしたためていた場面で予感は我々にもできていたわけだが、実際に告白できるのだろうか? それともうやむやに済ませてしまうのだろうか? までは分からなかった。
しかし、トムが本当に真実を告白した時、「ああっ・・話してくれたんだ・・」とこちらも胸を打たれ、トムはそれで救われることになるだろうとの思いも生じ涙があふれる。
「私は許さないけれど、主がお許し下さる。」「あなたも辛かったでしょう・・」という遺族の言葉は癒しの余韻を感じさせるには十分だった。

そこから吹っ切れたトムの積極的な反戦活動はおまけのようなもの。
今後の希望を感じさせる映像と共にエンドロールとなる。


オリバー・ストーンの他作品、書籍などに触れていれば目新しい主張はさほど見いだせないかもしれないが、だからと言って本作が充実していないというネガティブな印象はなし。
ただし、いわゆる陰謀系書籍でオリバーストーンとユダヤ関連の癒着を匂わせる文言を目にしたことがあるので、この作品の肯定的印象はそのままとしても、そういった情報も記憶の片隅に留めておきたい。

このレビュー投稿後に本作に関する情報に目を通し、違う見解など生じたら追記したい。
本当はディスク特典の監督自身による音声解説も見るべきだが、さすがに辛いのでそれはパス。


追記:1.2倍速でもげんなりするので2倍速で監督音声解説を視聴。結果は見て正解。
最初のレビューで一つのクライマックスと記した「誤射殺害家族への真実の告白」は何とフィクションでした。とはいえ今回はこの点で評価を下げることはしません。なぜなら彼は何度も何度も贖罪の気持ちを露わにしていたとのことなので。
その他、演出意図の明確な説明がなされるなど、より深く映画と監督の思想を知ることが出来るので見た方が絶対いいでしょう。
もう一つの映像特典には監督、トム・クルーズの他にモデルとなったロン・コーヴィックも登場し直のメッセージを聞くことが出来る。その意味でもディスク版レンタルしたならば映像特典もお見逃しなく。

詳細評価

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