ここから本文です

七小福 (1988)

七小福/PAINTED FACES

監督
アレックス・ロウ
  • みたいムービー 10
  • みたログ 48

3.86 / 評価:21件

林正英と洪金寶の名演

  • arigatou1615 さん
  • 2016年5月5日 22時59分
  • 役立ち度 6
    • 総合評価
    • ★★★★★

サモハン(洪金寶)、ジャッキー、ユン・ピョウといえば
70~80年代の香港アクション映画を引導した3大人気スター。
(日本ではジャッキーとユンピョウの人気が特に高かったですが)

その3人が幼い頃~思春期をどんな風に育ったのか
どうやって功夫を習得したのか・・というのが解るのがこの映画。
3人が共に育った、香港の京劇学院での厳しい生活。
怖い先生のしごきや体罰あり、粗末なつくりの宿舎のシーンありで
「おしん」とか「あぁ野麦峠」的な感じなんですよね。
幼くてもビシビシしごかれ、夕飯抜きや厳しい練習を課せられます。

・・・と、これだけだと暗くてジメジメした救いようのない感じですが
そうならないのが、怖い先生が子供たちの前では見せない苦悩だったり、
子供たちの明るさや無邪気さやタフさだったり、
彼らを取り巻く人たちとのシーンが妙に人間臭かったりするおかげですね。

特に、怖い先生役の洪金寶はいつものコミカルな雰囲気はゼロで
ひたすら淡々と抑えた演技で、でもしっかりと感情を表しています。
名演です。
実際、この映画で洪金寶は香港電影金熊賞
(日本で言うアカデミー主演男優賞)を獲得しました。

怖いだけではない、厳しいだけではない先生の演技が切ないです。

また、この学院のOBで、時々学院に顔を出しにきては
厳しい洪金寶から子供たちをかばったり、
子供たちに優しくしたりする兄貴分を演じているのが
日本でも大ヒットした霊幻道士の道士役のラム・チェンイン(林正英)

学院を出て映画界でスタントマンをして暮らしているのですが
京劇が徐々に下火になってきた時代なので、京劇の舞台に上がれず
不本意ながらスタントマンをしているという役どころ。

洪金寶も林正英も同士であり、親友を通り越して兄弟のような仲。

だから、そんなやるせなさや愚痴を、お酒を酌み交わしながら
林正英が洪金寶と店で語り合うシーンは、しんみりと切なく、
彼を励まそうと洪金寶が店の中でとった行動と
それにこたえる林正英のシーンは名シーンのひとつ。

名シーンは色々あるのですが、クライマックスとなる、
映画撮影所で冷遇されるスタントマン役の林正英の鬼気迫るシーン、
それを覚悟を決めて受け止める洪金寶の、思いがあふれる場面で
涙腺崩壊。ただただ悲しく切ないシーンです。
この役を演じ切った林正英と洪金寶に惜しみない拍手を贈りたいです。

脚本が本当によく出来ています。
しっかりと話の骨組みがあり、見せ場が絶妙に配されています。
タイトルは「七小福」なので、子供たちが主役かと思ってしまいますが
誰が主役というより、その時代のジャッキーたち、先生、兄貴分と
それぞれの角度からあぶりだす形のため、奥行のある話になっています。

また、ジャッキー、ユン・ピョウ、サモハンの子供時代と
思春期に入った青年時代を演じたそれぞれの子役たちが
ビックリするくらい顔立ちや雰囲気が本人に似ています。
(特にジャッキー役はそっくりで驚きます!)

ちなみに、ジャッキーはこの映画について「見たくない」と発言。
当時の辛かったことを思い出すのが嫌なのと、
脚色されている部分もあるわけで、そのあたりが嫌なんだそう。

そんな映画ですが、アクション映画ではなくヒューマンドラマで
なかなか見ごたえのある作品でした。
丁寧に作られた良映画です。
洪金寶や林正英のファンにはたまらない作品ですし一見の価値ありです。
DVD発売してほしいなぁ・・・

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 泣ける
  • 知的
  • 切ない
このレビューは役に立ちましたか?
利用規約に違反している投稿を見つけたら、次のボタンから報告できます。 違反報告
本文はここま>
でです このページの先頭へ