質屋

THE PAWNBROKER

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質屋
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作品情報上映スケジュールレビュー

あらすじ・解説

解説:allcinema(外部リンク)

作品レビュー(17件)

悲しい22.9%絶望的17.1%切ない17.1%不気味11.4%恐怖11.4%

  • le_********

    5.0

    ネタバレ冷静な演技とカメラの動きの滑らかさに好感

    このレビューにはネタバレが含まれています。
  • bar********

    4.0

    第2のアウシュビッツ

    質屋。シドニー・ルメット監督作。 アウシュビッツを生き延びたユダヤ人が質屋を営む。 「金がすべてだ」と語る質屋ナザーマン。 その言葉の裏に、彼の凄絶な過去の体験が秘められている。 「大切なものをすべて奪われた。だが俺は生き残った」 「金を稼ぎ続けていると、その内何も感じなくなってくる。その頃には財産持ちの商売人だ」 「白人も、黒人も、黄色人種も、どれも無価値だ。人種や肌の色では差別しない」 しかし彼は立派な感情の持ち主であり、悲惨な体験のせいで心を閉ざしてしまっていることが中盤からわかってくる。 ナザーマンの友人の父が死んだのをきっかけに、彼は過去の記憶を呼び覚ましていく。 ナザーマンはアウシュビッツで家族を全て失い、人生に絶望した。 しかし、絶望は終わらなかった。 この映画の悲劇性は、ナザーマンが今も人間に絶望し続けていること、そしてアメリカ現代社会は、ナザーマンにとって、第二のアウシュビッツであること(本当の孤独)、絶望の連鎖だ。 アウシュビッツを生き延びた人間にとって、何を頼ればよいのか。過去の体験が現在に及ぼす影響とは何なのか。人間とは何かを示す。 ルメット監督の力作だと思う。★を1つ減らしたのは、ストーリー構造や音楽演出が少し鼻につくものだったから。明らかに音楽演出は力が入りすぎているし、構造にも無駄が多い。質屋という舞台設定、ヘズスというキャラクター、バーチフィールドなど、微妙に生かし切れていない設定が多い。ヘズス=息子、バーチフィールドと娼婦=妻=無力感だとしても、そこの表現をもっと丹念にやらなくてはならなかったと思う。そこに奥行きがないため、余韻が薄い。 質屋という設定については、ナザーマンにとって心を閉ざしていることの象徴という役割しか持っていないため、後半になってくるともはやその価値をなくしてしまう。ナザーマンはただのナザーマンになり、前半との断絶がそこで起こってしまう。 そこの安易さが残念だった。ルメット監督らしい優れた社会派映画なので、見ておくべき作品の1つかもしれない。

  • shinnshinn

    4.0

    地味、暗い、重い、三重苦映画ですが・・・

    淀川長治さんが本作について、割と高い評価をしていたという淡い記憶を頼りにレンタルしてみました。ず~っと前から気になっていた作品でしたが、今回、TSUTAYAさんの発掘良品コーナーにて発見。1964年のシドニー・ルメットのモノクロ作品です。 ユダヤ人収容所で家族と友人を失い、戦後、ニューヨークに渡って質屋を経営している孤独な男の物語。バイタリティあふれ、粗野でガサツ、ともすると下品な役が多いイメージのロッド・スタイガーですが、本作では一転して、心を固く閉ざした、魂の抜け殻のような中年男を演じます。冒頭の美しくも悲しい家族のピクニックシーンからして、嫌な予感しかしません。 劇中で質屋の従業員(黒人)が、ユダヤ人の店主に向かって「あなたたちは商売がうまい」と尊敬の念を込めると、店主がユダヤ人の本音を苦しげに吐露し始めるシーンが秀逸です。以下。 成功の秘密を知りたい?・・・・教えてやろう。 まず数千年の年月が必要だ。頼れるのは古臭い伝説だけ。(ユダヤ教のことか?) 。耕したり狩りをする土地は一切手に入らない。(自由と引き換えに国を出たのは「十戒」(56)で見ました)。一カ所に止まれないから国土も軍隊もない。頼れるのは小さい脳みそと古臭い伝説だけだ。例え貧しい時でも、自分たちが特別だと信じてきた。だが、この脳みそこそが本当に大事なものだ。まず布きれを1枚買う。それを2枚に切って1ペニー高く売る。また、布を買い3枚に切り3ペニーの儲けを出す。しかし、その間にパンを1切れ買ったり、子供のおもちゃを買う誘惑には屈服しない、もっと大きな布を買いに走るのだ。これを繰り返しているうち、あることに気づく。もはや欲望はない。土地を耕し農作物を育てる気も、祖国を持つ気さえなくしている。何世紀もこのプロセスを繰り返す。すると突然気づく、お前は財産を手にした商売人だ。高利貸しと呼ばれ、魔女、質屋、守銭奴と呼ばれる。(いづこの地でも、嫌われたんかなぁ。お金はあってもよそ者扱いはつらいよねぇ。でも、自分の国がないんだから、頼れるのはやっぱりお金だあなぁ)。 最後に従業員がつぶやく「あなたは すごい先生だ」。確かにある意味、ユダヤ人はすごいのかもしれない(メンタリテイーはよく分からんが)。だからといって、パレスチナ人の土地を強引に奪うのが、正当な行為とは思わないけれど、とにかく彼らは日本人のバックボーンとは全然ちがうのかも。日本人は宗教の違いで弾圧を受けたこともないし(バテレンとか一向一揆とかはあったけれど、それは教科書の世界、実感はありません・笑)、国から出て行けと言われたこともない。貧しくても、子供にはおもちゃを買ってあげちゃうのが日本人(シビアさが違うのだ)。 監督のシドニー・ルメットが今回もいろいろと映画の実験的な試みをしています(この監督はニューヨーク育ちで、ご両親はポーランド系ユダヤ人だそうです)。「12人の怒れる男」(57)や「オリエント急行殺人事件」(64)に比べれば、あまり有名な作品ではありませんが、屋外ロケを敢行しているので64年当時のニューヨークの町並み(下町?)や地下鉄の映像に臨場感があります。正直、映画として成功しているかどうかは不明です。突飛だし、いろいろ詰め込みすぎた感はありますが、割と周到な脚本なので、私は良い映画だと判断いたしました。 なぜか、アカデミー賞関係にはそっぽを向かれたみたいですが、ロッド・スタイガーが災いの地・ドイツ(ベルリン国際映画祭)から主演男優賞をもらっているのが興味深い。音楽担当のクインシー・ジョーンズがジャズを駆使してノビノビとした良い仕事をしています(映画音楽を担当したのは、本作が初めてみたいですね)。 反戦だけではない、ユダヤ人の恨み節のような映画でした。最後にかすかな希望があるのかもしれないと感じましたが、後味が良い訳でもありません。ここらあたりが興行的には致命的なのかもしれません。もちろん、この微妙なエンディングはシドニー・ルメットが意図して作っていると思われます。今は、自分たちの国もあるし、ユダヤ人にとっては長い長い歴史のなかでは、<我が世の春>なのかもしれない(だから、彼らも必死なのだろう)。

  • npp********

    4.0

    消し去ることのできない痛み

    質屋を営んでいる主人公。 ベラベラと喋る客を相手にせず冷静に対処する。 感情を根こそぎ奪われたかのような無表情が悲しい。 そこには家族を皆殺しにされた思い出したくない過去がある。 思い出したくないのにふとした事でフラッシュバック 映画の冒頭から少しずつ過去のシーンを見せていく。 幸せな一家の光景が一瞬にして崩れ去る・・・ あまりにも重たい話。

  • fg9********

    5.0

    名作中の名作だ

     …今から半世紀以上も前の1964年の作品だ。  かつてリアルタイムで観て感動した記憶があるが、すっかり忘れてしまったので観てみる。  凄惨な過去が時折フラッシュバックのように流れるなかで、ストーリーは展開する。  圧巻は、金にしか価値を見い出せなくなった質屋の主人(ロッド・スタイガー)が、地周りのボスのところに出向き、そのボスから、「お前の金も売春宿のあがりからの汚れた金だ」と突き付けられて慟哭、正しく慟哭するシーンには胸が打たれて図らずも嗚咽を漏らしてしまった。  エンディングもなんという切なさだ。  自分の映画史の中では名作中の名作だ。

スタッフ・キャスト

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受賞歴

ベルリン国際映画祭第14回

男優賞

基本情報


タイトル
質屋

原題
THE PAWNBROKER

上映時間

製作国
アメリカ

製作年度

公開日
-