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32年前のイザベル・ユペールをとらえた1枚…『パリが愛した写真家』

cinemacafe.net

2017年3月16日(木) 14時00分 更新

イザベル・ユペール『パリが愛した写真家 ロベール・ドアノー<永遠の3秒>』(C)2016/Day For Productions/ARTE France/INA (C)Atelier Robert Doisneau

イザベル・ユペール『パリが愛した写真家 ロベール・ドアノー<永遠の3秒>』(C)2016/Day For Productions/ARTE France/INA (C)Atelier Robert Doisneau

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本日3月16日で64歳の誕生日を迎えるフランスを代表する女優、イザベル・ユペール。ポール・ヴァーホーヴェン監督『ELLE』(原題)で、ついに米アカデミー賞主演女優賞ノミネートという快挙を成し遂げた名女優の若かりし姿をとらえた1枚が明らかになった。

イザベル・ユペールといえば、歳を重ねるほどに活躍の幅を広げ、主演作が相次ぐ稀有な女優のひとり。昨年は「フランス映画祭」に合わせて来日、団地を舞台にした『アスファルト』、鬼才ラース・フォン・トリアーの甥っ子ヨアキム・トリアー監督作『母の残像』が相次いで日本公開され、3月25日(土)からは『未来よ こんにちは』が公開、オスカーノミネート作『ELLE』の公開も夏に予定されている。

そのイザベルの当時32歳の姿をとらえた1枚が、ドキュメンタリー映画『パリが愛した写真家 ロベール・ドアノー<永遠の3秒>』に登場する。写真家ロベール・ドアノーの名は知らなくとも、ある1組の男女が雑踏の中でキスを交わすモノクロ写真「パリ市庁舎前のキス」を目にしたことのある人は多いはず。1950年にアメリカの雑誌「LIFE」の依頼で撮影され、1980年代にポスターとして発売されると世界中に広まった。当時のパリは、恋人たちが街中でキスすることなど珍しい時代。ドアノーの演出によって生まれたこの1枚は、誰もが憧れる恋人たちの都・パリのイメージを創り上げていった。

そのドアノーがイザベルを撮影したのは1985年、パリのカフェにて。いまから32年前、32歳のイザベルは、現在の貫録ある熟練の女優の姿とはちがい、若々しさと愛らしさが感じられる1枚。とはいえ、このときにはすでに『ヴィオレット・ノジエール』(’78)でカンヌ国際映画祭の女優賞を受賞している。その後、数々の作品で次々と女優賞を制し、今年の米アカデミー賞初ノミネートへの階段をのぼっていくことになる。

写真家ドアノーは、ほかにもパブロ・ピカソ、ジャン・コクトー、フランソワーズ・サガン、イヴ・サン=ローラン、クリスチャン・ディオール、ロマン・ポランスキー、サビーヌ・アゼマほか、数多くの芸術家や映画人のポートレイトを発表してきた。フランスでは、ドアノーに撮ってもらうことが1つのステイタスであったともいえる。しかし、32年前は、イザベルがこれほどまでの大女優になるとは、撮影したドアノーも想像をしていなかったかもしれない。

「生涯で成功した写真はせいぜい300枚。1枚が1/100秒だとすると、50年でたったの3秒だなんて、すごいだろ!」との言葉を残すドアノー。本作では、撮影風景やインタビューなどの当時の貴重な資料映像や、親交のあった著名人による証言により、写真家ロベール・ドアノーの人生と創作に迫る。「パリ市庁舎前のキス」の知られざる撮影秘話や、ドアノーが撮った同時代を代表する著名人、映画人のポートフォリオ作品も楽しめる。監督は、ドアノーの孫娘であるクレモンティーヌ・ドルディル。家族だからこその視点で、優しさにあふれた祖父、撮影にこだわりぬく写真家の両面を描き出し、愛とユーモアにあふれたドアノーの写真家人生を浮き彫りにする。

『パリが愛した写真家 ロベール・ドアノー<永遠の3秒>』は4月22日(土)より東京都写真美術館ホール、ユーロスペースほか全国にて順次公開。

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