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月1,100円で映画館行き放題!夢のサービスは成功するのか?【最新!全米HOTムービー】

シネマトゥデイ

2017年9月3日(日) 6時38分 更新

映画ファンにとってはまさに夢のサービス! - iStock.com / Yuri_Arcurs

映画ファンにとってはまさに夢のサービス! - iStock.com / Yuri_Arcurs

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でもアメリカ最大手のAMCチェーンはお怒り - iStock.com / NicolasMcComber

でもアメリカ最大手のAMCチェーンはお怒り - iStock.com / NicolasMcComber

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 月に9ドル95セント(約1,100円)の会費を払えば、毎日1本、映画館で映画を観られる。おいしすぎてウソのようなサービスが、今、アメリカで話題だ。その新価格が発表されて1週間ほどで、会員数は7倍にも増えたという。(1ドル110円計算)(Yuki Saruwatari/猿渡由紀)

 このMoviePassという会員制サービスは、実は6年前からある。だがこれまでは、毎日1本映画を観られるプランは月50ドル(約5,500円)もして、会員数は2万人程度にとどまっていた。しかし先月、MoviePassが同社の株の51%をデータ会社に売却して資金を調達したのをきっかけに、見放題のプランを5分の1に値下げしたのである。以前と同じで、MoviePassは劇場には正価を払う姿勢。損失分はMoviePassがかぶる。

 システム上でも、会員が買うチケット代はMoviePassから直接出るようになっている。会員になると専用デビッドカードが送られてきて、アプリで「観る」と伝えた映画のチケットを、そのカードを使って映画館の販売機で買うという仕組みなのだ。「観る」を押せるのは、その映画館まで100メートルの範囲に近づいてから。その段階でMoviePassは、チケットを買うのに必要な金額を専用デビッドカードに与える。

 ロサンゼルスの中心部の場合、映画の料金は、曜日や劇場によって10ドル~18ドル(約1,100円~1,980円)あたり。1か月に9ドル95セント(約1,100円)しか払っていない人に、毎回それより多い金額を払い続けるなんてビジネスとして成立するのか? と指摘する声は少なくない。MoviePassは、会員の中には実際あまり利用しない人もいるので相殺されるであろうことや、会員から利用価値のある貴重なデータを集められることなどを根拠に、やっていけると思っているようだ。

 見放題のおかげで、普段だったら観ない映画に観客が足を運ぶようになり、ポップコーンが売れて儲かるので、映画館側にとっても良い話だとMoviePass側は考えているが(実際、アメリカの映画館の利益の多くはポップコーンの売り上げによるもの)、映画館側は決して諸手を挙げて喜んではいない。アメリカ最大手のAMCチェーンは、MoviePassがこの月額でサービスを続けることは不可能であり、廃止となった際には人々が正規の映画料金を払いたがらなくなるとして「MoviePassを歓迎しない」と公言した。とはいえ、専用デビッドカードがマスターカードから発行されるため、自動販売機がマスターカードを受け付ける以上、MoviePassのカードだけを拒否することは不可能という状況だ。

 客側にとっても、思うほど得ではないかもしれない。チケットを購入できるのは映画館の近くまで来てからということは、公開されたばかりの話題作を週末に見たいと思ってわざわざ出掛けてきても、徒労に終わる可能性が高いのだ。3DやIMAXにも使えない。よっぽどの映画ファンでどんな映画でもとりあえず観ておこうという人か、学生や引退生活を送っている人には良いだろうが、それ以外の人は、『ワンダーウーマン』や『ダンケルク』は別途チケット代を払うとわかっていつつ加入することになる。

 月額9ドル95セントになったことで、「一応入っておいても損はない」という気持ちが今は高まっているのかもしれない。だが実際に、この会員増加ペースをこれからも守っていけるのか? そしてその人たちは満足し、来年も会員更新をするのか? その答えは、近い将来にわかる。

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