ここから本文です

『ロケットマン』驚きのラストシーン誕生秘話!デクスター・フレッチャー監督インタビュー

シネマトゥデイ

2019年9月1日 (日) 12時08分 更新

エルトン・ジョンにふんしたタロン・エジャトン - (C) 2018 Paramount Pictures. All rights reserved.

エルトン・ジョンにふんしたタロン・エジャトン - (C) 2018 Paramount Pictures. All rights reserved.

シネマトゥデイ

 デクスター・フレッチャー監督が来日時にインタビューに応じ、映画『ロケットマン』の印象的なラストシーンの誕生秘話を明かした。(以降『ロケットマン』のラストに触れているので、鑑賞後にお読みください)

 『ロケットマン』は、スターダムにのし上がっていく歌手エルトン・ジョンの狂乱の日々を基にしたミュージカルファンタジー。リハビリ施設を訪れたエルトンが自身の半生を振り返る形で、ピアノの神童だったものの両親からは愛されなかった幼少期から、自身のセクシャリティーへの悩み、そしてアルコールやドラッグに溺れたダークな部分まで描き切っている。

 それでも自分自身と向き合ってドラッグなどを断つことを決め、「僕はまだ立っている!」と名曲「アイム・スティル・スタンディング」をリハビリ施設の廊下で力強く歌うシーンは感動的だが、演じたタロン・エジャトンはこのシーンは全て即興だと語っていた。フレッチャー監督はその狙いについて、「もちろん、監督してのビジョンはある。ちゃんと準備しておくことは成功への鍵だけど、僕は、俳優をカメラの前に置けば、時に全く予想とは違う魔法みたいなことが起こるということも知っているんだ。もし彼らを励まし、そうしたことが起きうるスペースを与えればね」と切り出す。

 「赤の絵の具がすでにあったとして、青も緑も必要だとわかった時、それをどうやったら実現できるかを考えるのがクリエイティブな努力というもの。一人で絵を描いていたとしても、『お!』と新しいアクセントやディテールに気付くことがあると思う。映画作りの魔法みたいな部分は、撮影現場でそうしたディテールが起こることだと思う。(ビジョンとして)キャンバスを与えることはできるけど、ディテールは撮影の日々で見いだしていくものなんだ」

 本作は「アイム・スティル・スタンディング」のカンヌを舞台にしたミュージックビデオの再現(タロンはグリーンバックの前でエルトンの動きをコピーし、それを35年前のオリジナル版のフィルムに合成している)でとびきりハッピーに幕を閉じるが、これはもともと予定されていたものではなかったという。

 「僕はエルトンが(リハビリ施設の)ドアを通り抜けた後に、絶対に大きなエンディングをやりたかった。だけどもともとの脚本では、ドアのところで終わっていたんだ。ドアを開けたら光が差し込んできて、それが映画の終わり……。僕はずっと、その後にもっとあるべきだと思っていたから、もっとお金をくれるようにスタジオを説得しないといけなかった。スタジオはたくさんのお金を投資しているから、どんな映画になるか知りたがったんだ。駄作かもしれないからね(笑)。だけど、彼らはそれまでに撮ったものを観て、『これはいい映画になる』と自信を持ってくれ、追加の撮影をする価値があるって思ってくれた。それで最後のMVを完成させることができた」

 そして最後の最後には、幼少期のエルトンを演じたマシュー・イルズリーと、幼少期のエルトン本人の写真が並べて示され、二人があまりに似ていることに驚かされた人々は少なくないはずだ。フレッチャー監督は「そうなんだ! だから彼を見つけたのさ!(笑) それに素晴らしい役者で、歌も上手。僕たちは幸運だったよ。だから最後に横に並べて写真を載せたのさ」とにんまり。

 「あの写真を見るたびに『これは最後に来るやつだ』と思っていた。僕自身かなりびっくりさせられたから。実は、あれは彼が振り向いて笑う、というシーンを撮る際にも大きな影響を与えたんだ。撮影の日はエルトンの夫(プロデューサーのデヴィッド・ファーニシュ)が現場にいたんだけど、僕にエルトンの幼少期のあの写真のことを思い出させてくれたんだ。『マシューをこんな風に笑わせてみたら?』ってね。それでやってみたんだ。これも、もともと計画していたわけじゃないけど、たまたま素晴らしいことが起きた例の一つだね」と笑っていた。(編集部・市川遥)

映画『ロケットマン』は公開中

本文はここま>
でです このページの先頭へ