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松坂桃李、大河で色男役に戸惑い「すみませんって感じです」

シネマトゥデイ

2019年11月3日 (日) 06時00分 更新

大河ドラマ「いだてん」で、日本オリンピック委員会の岩田幸彰にふんする松坂桃李 - (C)NHK

大河ドラマ「いだてん」で、日本オリンピック委員会の岩田幸彰にふんする松坂桃李 - (C)NHK

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 現在放送中の大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」(NHK総合・日曜20時~ほか)もいよいよ最終章に突入したが、1964年の東京オリンピック招致に向け、田畑政治(たばた・まさじ/阿部サダヲ)と共に尽力するJOC(日本オリンピック委員会)常任委員の“岩ちん”こと岩田幸彰(いわた・ゆきあき)を演じているのが俳優・松坂桃李だ。

 英語が堪能だった岩田は田畑に能力を認められ、秘書になることを懇願される。田畑と行動を共にすることでオリンピックに魅了され、1964年の東京オリンピック招致に大きく貢献した人物だ。田畑とは、紆余曲折がありながらも固い絆で結ばれ、劇中でのやり取りは胸を熱くさせる。松坂は2017年公開の映画『彼女がその名を知らない鳥たち』で阿部と現場を共にしたことがあるが「阿部さんのお芝居が本当に面白くて、岩田という人物を通して、阿部さんの演技を間近で見られる最高のお客さんという気持ち。とても良い時間でした」と改めて“俳優・阿部サダヲ”に魅了されたという。

 これまでも、阿部と田畑という役の相性の良さを絶賛する出演者は多かったが、松坂もその一人だ。「田畑さんは岩田から見ると嵐のような人物で、本来なら避けて通りたい(笑)。口が悪くてせわしなく、人物紹介など表面的な字面だけを追うと『どこに魅力があるんだろう』と思うのですが、阿部さんが演じる田畑を見ると、なぜか『巻き込まれたい』と思ってしまう。場の空気を一瞬で変えられる阿部さんの存在感は、僕個人としても今後、役者を続けていくうえで、身につけたいなと思いました」

 松坂演じる岩田は、頭脳明晰でオシャレな色男。松坂は「岩田さんの親族の方にもお会いしましたが、すごく上品な方で、(劇中ではくだけた部分も出てくるので)すみませんって感じですよね」と笑うと「でも宮藤(官九郎)さんの本にこう書いてあるからやっているんですよ……と心の中で言い訳していました(笑)」と茶目っ気たっぷりに話す。

 宮藤作品は、2016年に放送された連続ドラマ「ゆとりですがなにか」以来、2度目の参加となる。「2度目というのはすごくプレッシャーなんですよね」と苦笑いを浮かべると「1回目は自分に興味を持っていただけたということで『精いっぱいやらせていただきます』という思いなのですが、2回目は自分のなかで勝手に『前回とは違ったものをちょうだいね』と試されているように感じてしまい緊張感が増すんです」と理由を説明。それでも「オリンピックの裏側で、これだけの人たちが動いていたという事実を、ものすごく熱くストレートに描きつつも、時には変化球でじわじわと伝えてくる。本当に面白いです」と宮藤脚本の素晴らしさを訴える。

 物語の構成上、昨年9月にクランクインから今年9月にクランクアップするまで、飛び飛びでの撮影という大河ドラマならではのスケジュールを経験した。「昨年、間が空いた期間はまだ続いている感じがあったのですが、今年に入ってからの再撮は、新たにクランクインするような気持ちでした。大河の撮影と撮影の間に、『パーフェクトワールド』というドラマで(東京都知事・東龍太郎として出演している)松重(豊)さんとご一緒したのですが『こう間が空くと、さすがに忘れちゃうよね』と話していました。やりながら少しずつ、前の撮影の感覚を取り戻していく感じでした」。

 ただこうした時間軸で撮影ができたことで、新たな発見もあった。「撮影に入っていないときは、視聴者として作品を観られたんです。(役所広司演じる)嘉納治五郎さんが亡くなる回などは本当に悲しくなってしまい、完全にお客さん目線でした。普段の作品では、自分のダメ出しだけで終わってしまうのですが、客観的に作品を観られるというのもすごく貴重な体験でした」。

 いよいよ物語は佳境に入る。松坂は「1回から見てくれていた人は、最初に出てきたエピソードが繋がっていきます。とにかく宮藤さんの脚本のすごさというか、伏線がどんどん回収されていくが見どころです」と語ると、「一変する作品の空気感にもぜひ注目してください」と力を込めた。(取材・文:磯部正和)

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