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佐藤浩市、主演作に葛藤 原発事故の映画化は「まだ早いと思った」

シネマトゥデイ

2020年3月5日 (木) 14時53分 更新

『Fukushima 50(フクシマフィフティ)』への思いを語った佐藤浩市

『Fukushima 50(フクシマフィフティ)』への思いを語った佐藤浩市

シネマトゥデイ

 俳優の佐藤浩市と渡辺謙が4日、都内にある日本外国特派員協会で行われた映画『Fukushima 50(フクシマフィフティ)』(3月6日公開)の記者会見に出席し、福島第一原子力発電所の大事故が題材の本作に出演した胸の内を明かした。会見には、若松節朗監督、製作代表を務めるKADOKAWA取締役会長・角川歴彦も出席した。

 『Fukushima 50(フクシマフィフティ)』は、作家・門田隆将のノンフィクション作品を、『沈まぬ太陽』などで知られる若松監督が映画化。2011年3月11日に起きた東日本大震災の巨大津波により、福島第一原子力発電所にメルトダウンの危機が迫る中、自分たちの命を顧みず、未曽有の大事故に向き合う作業員たちの生きざまを描く。

 福島第一原発1号機、2号機当直長・伊崎利夫を演じた佐藤は「この話をいただいたとき、被災された方の痛みを含めて、まだ(映画化することは)早いんじゃないかと思った」と率直な胸の内を明かす。映画が完成し、福島で試写会を行った際、映画を観た人たちが若松監督に「ありがとう」と声をかけている姿を見て、「人は痛みを忘れることで次に進むことができる。一方で風化させてはいけないことでもある。そのギリギリのタイミングだったのかもしれない」と自身の考えが変わったという。

 福島第一原発所長・吉田昌郎役の渡辺は「いろいろな国に友人はいますが、まだ“Fukushima”というワードにネガティブなイメージを持つ人は多い」と切り出すと、「70数年前に長崎と広島に原爆が落ちました。忌まわしい歴史かもしれませんが、いまは核兵器を考えるうえで、その出来事が平和の象徴に捉えられることもある。同じように、この映画が起点になって、少しでもポジティブに福島を捉えてもらえたら嬉しい」と作品に込めた思いを吐露する。

 そんな2人の熱い思いに負けず、若松監督も「この映画をやろうと思ったのは、日本を代表する2人の大スターを得て映画を作れば、すごいものができると確信できたから」と述べると「死の淵に立たされたとき、“Fukushima 50”と呼ばれた人たちは自分の命を犠牲にすることをいとわず立ち向かう姿を見せてくれた。大和魂のようなものをこの映画から感じていただければ」と熱気を帯びた表情で語る。

 また、海外メディアから「政府や東京電力からプレッシャーや圧力はなかったのか?」という質問が飛ぶと、若松監督は「僕のところにはそういうことは何も聞こえてきていません」とキッパリ。角川会長は「そういう質問が出る映画だなと思っていました」と語ると、「角川映画が始まって30年。社会派作品を作るというのが一つのテーマであります。映画には真実を伝えられる力があると思っており、出版人でありながら敬意を持っています。福島の原発で何が起こっていたのか、真実に迫りたいと思いました」とどこにも忖度することなく真実に真摯に向き合ったことを明かした。(磯部正和)

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