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言葉にできないから...映画はキスで回っている<キスしたくなる映画企画>

ニック
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カッコイイ男の生き様が描かれた作品に胸が高鳴る「一本気なポプコニスト」。生涯ベストは、パチーノ&デ・...

『ブレードランナー 2049』予告編 [記事を読む]

言葉にできないから......キスをする。
言葉は必要ないから......キスシーンがある。
そんなふうに考えています。

選んだ作品の中でキスシーンが重要な意味を持つ一本は『ニュー・シネマ・パラダイス』です。有名なラストの「キスの嵐」は、多くの人の涙を誘ったと思います。点と線が見事にシンクロした瞬間は、映画史に残る場面となりました。主人公トトが恋人エレナと交したキスも忘れることができません。特に雨が降りしきる野外劇場での情熱的なキスは、エンニオ・モリコーネの音楽とともに感動的なワンシーンとして記憶に残っています。

Kobal/CRISTALDIFILM/FILMSARIANE/TheKobalCollection/WireImage.com

『ニュー・シネマ・パラダイス』全編を通して感じることは言葉に頼らないということです。トトとエレナ、トトとアルフレード、トトと母親の間には多くの言葉を必要としませんでした。だから、それぞれの関係性の中でキスや抱擁を必要とし、最終的には、言葉を必要としなかったエンディングが輝いて見えたのだと思います。

言葉にできないキスもあります。代表的な作品として「ロッキー」をピックアップしました。不器用な男のロッキーが、初めて自宅にエイドリアンを招き入れたときのことです。エイドリアンがかけていた眼鏡や被っていた帽子をロッキーがそっと取ってやると、こうつぶやくのです。「キスしていいか」、と。それ以上の言葉はなかったのです。そして、ぎこちなく唇を重ねるふたりは、やがて抱き合い崩れ落ちました。あの瞬間のふたりも言葉を必要としませんでした。

UnitedArtists/Photofest/MediaVastJapan

これから起こりうるかもしれないキスシーンとして『ブレードランナー 2049』を選びました。『ブレードランナー』といえば、デッカードとレイチェルの強引なキスを思い浮かべる人も多いと思います。そして、続編となった『ブレードランナー 2049』でも印象的な場面が生まれました。捜査官のKとジョイが初めて口づけをしようとした雨のシーンです。すんなりキスかと思ったら、連絡が入ってっしまい......。人によっては、コメディーっぽく見えるかもしれませんが、もしかしたら未来に実際に起こるような場面として印象に残っています。

WarnerBros./Photofest/MediaVastJapan

こうして3本の作品を選んでみましたが、映画におけるキスシーンは単なる一場面ではなく、主人公のターニングポイントとして描かれているように思います。キスをする瞬間にセリフはありません。だからこそ、観客はふたりの表情やしぐさを見つめ、言葉にできない感情を読み解こうとするのではないでしょうか。

ニック
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カッコイイ男の生き様が描かれた作品に胸が高鳴る「一本気なポプコニスト」。生涯ベストは、パチーノ&デ・ニーロが共演した『ヒート』。

記事はここで終わりです。

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