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声出し厳禁、音出しNGの我慢比べ映画『クワイエット・プレイス』

ニック
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カッコイイ男の生き様が描かれた作品に胸が高鳴る「一本気なポプコニスト」。生涯ベストは、パチーノ&デ・...

『クワイエット・プレイス』予告編

「音を立てたら、即死。」

『クワイエット・プレイス』のキャッチコピーは決して大げさではなかった。幸運にも、公開前に本作を観る機会があったのですが、試写室でさえ「物音ひとつ立てらない」空気が広がっていました。携帯電話のアラームが鳴るなんてのは論外。咳ばらいするのも周囲の視線が気になる。そんな雰囲気が充満していて、上映中は音を立てたくない状況に陥りました。

理由は簡単。『クワイエット・プレイス』では、音を立てると「何か」がやってくるからです。その「何か」の種明かしをすると、本作の醍醐味(だいごみ)が損なわれるので、これ以上は言及できません。ひとつだけ言えるのは、映画館で観るからこそ「何か」を劇場にいる人たちと実体験できるはず。そういう意味で本作はアトラクション的な作品といえます。

(C) 2018 Paramount Pictures. All rights reserved.

実生活に置き換えてみてください。現代社会は音があふれていることに気づかされます。例えば、毎朝の行動はどうでしょう。目覚ましが鳴る、消す。テレビをつける、ラジオをかける。BGM代わりにスマートフォンから音楽を流す。誰かに声を掛けられて、起きる人もいるでしょう。つまり「音」に反応しながら、毎日の生活がスタートしています。いつでも、どこでも、「音」が聞こえるのです。

うるさすぎると思う人もいるかもしれません。街角から聞こえる街頭ビジョンの音楽や満員電車の混雑などは、必ずしも心地よい「音」ではないはずです。だからこそ、現代人は自然あふれる静寂な場所に思いをはせるのです。

(C) 2018 Paramount Pictures. All rights reserved.

そんな日常からヒントを得た作品が『クワイエット・プレイス』です。街角から音が消えたら、どうなるのか。人と人との会話ができないとしたら、どのようにコミュニケーションを取るのか。当たり前の現実を映画の世界で消し去ったからこそ、本作は一種異様な映画として存在しえたのです。

「音を立てたら、即死」とはなりませんが、90分間の上映中だけは、絶対に音を立てたくない気分になることだけは、念のため記しておきます。

『クワイエット・プレイス』
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カッコイイ男の生き様が描かれた作品に胸が高鳴る「一本気なポプコニスト」。生涯ベストは、パチーノ&デ・ニーロが共演した『ヒート』。

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