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『マガディーラ 勇者転生』は『バーフバリ』を観た後で

バラトヒポ
バラトヒポ

好みの映画が日本で公開されることが少ないインド映画好き。興行収入の数字で熱くなれる体質。

『マガディーラ 勇者転生』 予告編

紙幣には17種類の文字で額面が記載され、憲法に定められている言語だけでも24種類あるインド。映画も20以上の言語によって作られています。
例えば、2013年に日本公開された『きっと、うまくいく』はヒンディー語=ボリウッド、1998年の『ムトゥ 踊るマハラジャ』はタミル語=コリウッドです。
話される言語の違いから地域によって上映される映画も違うこともあり、言語によってそれぞれ独自の映画界に分かれています。
多少の行き来はありますが監督や俳優も違いますし、ダンスの振り付けや作品のテイストに違いが見られます。ヒットした作品を別の言語で吹替えても大きなヒットに結びつかず、その言語の映画界のスターでリメークすることがよくあります。 こうした言語の壁に超えたのが『バーフバリ』シリーズでした。

(C) GEETHA ARTS, ALL RIGHTS RESERVED.

ボリウッド、コリウッドと比べてマイナーなテルグ語映画界=トリウッドがインド史上最大の制作費をかけた『バーフバリ』はテルグ語だけでなく、タミル語、ヒンディー語、マラヤーラム語と他の言語でも大ヒットとなりました。特に後編『バーフバリ 王の凱旋』は、インド国内興行収入で2位『ダンガル』の2倍以上の141.6億ルピーを記録して現時点でのトップ。その興行収入の半分をヒンディー語版が稼ぎ出しました。
ボリウッドの映画制作会社が配給に乗り出したこともありますが、それも観た人の多くを圧倒し「バーフバリ」と連呼させる力強さがあればこそ。
半導体メーカーAMDが協力しギネスブックに記録されたほど多くの特殊効果で作り出された美しく壮大な世界。
神話をベースにしたという登場人物の物語は冷静に考える時間を与えません。
その『バーフバリ』シリーズのS・S・ラージャマウリ監督による2009年製作の作品が『マガディーラ 勇者転生』(全国で順次公開中)です。

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400年前、愛し合っていたのに結ばれぬまま亡くなった王女と勇者。二人は現代に生まれ変わり、運命的な出会いから恋に落ちます。
しかし前世からの宿敵のワナにはめられてしまいます。危機に陥った彼に勇者の記憶がよみがえります。

古いこともあり、CGはチャチな仕上がりです。しかし『バーフバリ』の原点と宣伝されるだけあってアクションが光ります。
前世と現代が入れ替わりながらエンディングまで一気に持っていかれました。ヒロインのカージャル・アガルワルも魅力的です。

気なるところがあるとすれば特に前半、インド映画らしいといえばインド映画らしいといえるアクの強さが色濃く残っています。
物理法則無視のアクション、やたらと長いダンスシーン、なぜか唐突に大写しになる中年男......。
慣れていない人は飽きてしまったり、あきれてしまうんじゃないかと心配です。

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アクの強さも地元映画を見慣れた地元の観客に対するサービス。
そんなアクションを演出と割り切り、ダンスシーンの長さを楽しみ、スターのサービスカットと受け入れる知識がないと厳しいかもしれません。
せめて『バーフバリ』を、できれば『あなたがいてこそ』(2010年)、『マッキー』(2012年)と同じ監督の他の作品を先に観ることをおすすめします。
逆に言うと『バーフバリ』でマヒシュマティ王国の民となっている人、これを見逃したらもったいない。
前からこんなことしたかったのか、これがあのシーンに結び付くのかと味わうことができるはず。
「映画を観るのに、なんで他の作品も」と思うかもしれません。しかし経験が増えるほど新しい発見があり、その発見が喜びにつながるもの。クセがあるものほど、ハマったら病みつきになりますよ。

『マガディーラ 勇者転生』
Yahoo!映画 作品詳細ページへ

同監督映画『バーフバリ』シリーズがGYAO!ストアで配信中

映画『バーフバリ 伝説誕生』配信期間:2017年12月22日〜2022年2月20日

映画『バーフバリ 伝説誕生』(R15+)【字幕版】
GYAO!ストアで配信中

映画『バーフバリ 王の凱旋』配信期間:2018年2月21日〜2019年2月20日

映画『バーフバリ2 王の凱旋』【字幕版】
GYAO!ストアで配信中

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好みの映画が日本で公開されることが少ないインド映画好き。興行収入の数字で熱くなれる体質。

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