2018.12.21 11:11

最新作を観る前に！二人の友情はここから始まった『シュガー・ラッシュ』

ソフィー

主にハリウッド映画を中心に、年間100本以上を鑑賞。アメコミは原作との比較も楽しむタイプ。『ガタカ』...

『シュガー・ラッシュ』特別映像

2018年も終わりに近づき、ついに今週末は最後の三連休！

何かとせわしないこの時期、ハートウォーミングな作品で心がほっこりするのはいかがでしょうか？ 12月21日に公開の『シュガー・ラッシュ：オンライン』がオススメ！......と言いたいところですが、まずは前作『シュガー・ラッシュ』をおさらい。最新作の面白さが増すこと間違いなし。

『シュガー・ラッシュ』は、ゲームの世界を舞台に繰り広げられるアニメです。製作を手掛けるのは、あのウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ。「アニメ作品は子供向けでしょ？」と思う方でもしっかりとした脚本に心をつかまれます。

主人公の1人は「フィックス・イット・フェリックス」というアーケードゲームの中で悪役を演じる大男ラルフ。怪力の彼はマンションを壊すことが仕事。ドジで短気だけど、性根は優しい。こういう人は周りにもいますよね。

ゲームの話とはいえ、彼らは普通に生活をしているのです。もちろん、ゲームで建物を壊す役のラルフは、嫌われ者。そんな損な役回りに、ラルフは次第に嫌気が差していきます。本当は主人公フェリックスのようなヒーローに憧れる日々。そこで、悪役が集まるセラピーに参加したり、住人に受け入れてもらおうと、ヒーローゲーム「ヒーローズ・デューティー」に潜り込んでヒーローの証を手にしても、依然としてラルフは嫌われ者のまま。人生を好転させようともがくラルフの姿を見ていると、現実世界での辛いことや大変なことを乗り越えている自分たちの生活が思い起こされ、感情移入して応援したくなります。

そんな日々に、ふとしたきっかけでレースゲーム「シュガー・ラッシュ」のキャラクター、ヴァネロペと出会います。外見はかわいらしい女の子、その実、性格は勝気で生意気、怖いもの知らずのレーサー。ヴァネロペは、ゲームプログラムのバグ（不具合）を直すことのできる能力を持っています。その能力のおかげで、彼女に近づくとプログラム内にアクセス可能となり、不具合が直ります。しかし、不思議な能力を理解できない仲間たちからは、のけ者扱いされています。ヴァネロペもレースに参加して優勝したい。でもレースに参加するには、コインが必要だけど持ち合わせていないヴァネロペは、ラルフが見つけたメダルを参加費代わりに奪おうとするところから、物語は急加速！

最初はいがみ合っていた2人も、心優しいラルフがヴァネロペを助けるシーンから友情が生まれ、お互いの夢を実現するために、一緒に行動をしていくことになるのです。

実はヴァネロペは、このゲームの世界を統治することのできる王女様なのですが、2人の共通の敵によりその記憶を封じ込められてしまっています。昨今話題のディズニー作品に共通していると言われる「強いお姫様が困難に立ち向かう」その設定が、本作にも反映されています。ちやほやされるだけでない、女の子たちが主人公に憧れ、自分も頑張って道を切り開いていこう、と思えるパワーがあります。

......しかし、本作ではそのパワーが押しつけがましくなく、自然と伝わってきます。それも元気はつらつなヴァネロペのキャラクターのおかげ。彼女や親友ラルフが、辛い局面に立った時には心を痛め、奮闘するシーンでは手に汗握り、敵と戦う場面では前のめりで応援したくなる、そんな魅力がこのコンビにはあります。

どんなシーンで感じることができるのか、それは見てのお楽しみ。もちろん、ハッピーエンドですので、ご心配なく。見終わった後には、すがすがしい気持ちと、心がちょっと温かくなっていると思います。

そして、大人の方々は、昔のゲームを引っ張り出したくなることでしょう。「昔、ゲーム大好きだったんだよね」なんて方には、作品中で突っ込みたくなるポイント満載です。