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『ボヘミアン・ラプソディ』が満場一致の「年間ベスト」ポプコニスト座談会・第ニ弾

ニック
ニック

カッコイイ男の生き様が描かれた作品に胸が高鳴る「一本気なポプコニスト」。生涯ベストは、パチーノ&デ・...

クリスマスを間近に控えた12月のとある日。ポプコニストたちが「2018年最高の映画」を語るために再び集結しました。第1回とは異なるメンバーが選んだ作品は以下の通り。

バラトヒポ
『ボヘミアン・ラプソディ』『パッドマン 5億人の女性を救った男』
松子
『ボヘミアン・ラプソディ』『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』
ソフィー
『ボヘミアン・ラプソディ』『クワイエット・プレイス』
スーパーネイチャー
『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』『スリー・ビルボード』

この日も激論が展開された「ポプコニスト座談会」第2回の模様をお届けします。
※作品のネタバレを含む内容ですのでご注意ください

スーパーネイチャー:では先頭バッターを務めます。今年のマイベストは『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』。ご存じ、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の集大成ですね。レビュー含めて評価も非常に高い作品です。その中でもスゴいと思ったのは、これだけの大掛かりなバッドエンドを超大作でよくぞやってのけた! これに尽きます。これだけ宣伝費をかけていたら、どこかで「子供が泣かないように」とか、「勧善懲悪で行こう」とリスクを避けたがるもの。言うてもディズニーだし。それらしがらみをブッタ切ってゴーサインを出した制作陣に拍手を送りたい。もう一本は『スリー・ビルボード』です。気持ち的には『ボヘミアン・ラプソディ』を挙げたいけれど、それをしちゃうとこの場が『ボヘミアン・ラプソディ』一色になってしまう。その話題で『スリービルボード』が埋もれてしまうのは、あまりにもったいない名作。オチ、言って大丈夫ですか?

一同:どうぞどうぞ。

スーパーネイチャー:ありがとうございます。娘を殺した犯人探しが本筋なのに、真犯人が見つからないまま終わってしまう、ミステリーにはあるまじき構成になっている。これも、ハリウッド映画としては衝撃的でした。かつ、シリアスな話なのに重くなり過ぎないようにブラックユーモアをちりばめた制作者の手腕に感銘を受けました。

松子:私は『ボヘミアン・ラプソディ』と『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』を挙げましたが、理由は劇場に何度も足を運んだから。『ボヘミアン・ラプソディ』は何となく知っているクイーンやフレディ・マーキュリーのことを改めて知る映画で、やっぱりスゴイ人だなと胸が震えました。メンバーのフレディへの愛も素晴らしいです。一方の「M:I」は、トム・クルーズが好きだというのが一番にあって、シリーズ初期はトムのカッコよさで見ていました。それからシリーズが進むにつれて、人間としてのトムことイーサン・ハントが描かれていて、人間関係や妻との本当の別れなど、一歩先のことが描かれていて、シリーズとしてずっと見てきて良かったな、と思えたからです。

一同:(爆笑)

バラトヒポ:私も『ボヘミアン・ラプソディ』ですが、インド映画好きとしてはフレディの両親の描き方に感銘を受けました。一番良かったのは、ライブ・エイド前に恋人を家に連れ帰って紹介したシーンですね。観た後は家でライブ・エイドのライブ映像を見返しまくってます。『パッドマン 5億人の女性を救った男』の方は映画としてよくできているなと思って挙げました。

ソフィー:私も『ボヘミアン・ラプソディ』ですけれど、ドルビーやIMAXに観に行ったり、応援上映にも足を運びました。サントラも買って毎日聞くような、これだけのめり込んだのは久しぶりでした。ラミ・マレックがこの作品で出てきたような言い方をされているけど、『MR.ROBOT / ミスター・ロボット』というアメリカのドラマに出ていたので、ずっと見ていた人間としては、「ああ、フレディ役もハマるものだな」という見方をしていました。もう一本『クワイエット・プレイス』の監督ジョン・クラシンスキーがもともと『ザ・オフィス』というドラマに出ていて、好きだったので観に行きました。変なツッコミどころのないホラーですね。耳の聞こえない少女役に、実際に障害のある子を起用して撮影外でも手話を使っていて、細部まで作りこまれていることにも好感を持ちました。SFホラーって敵がどうしてもバカバカしい存在になりがち。でもこの作品では「耳」なんですよね。面白い設定の敵が出てきたなーという点も高評価です。あと、観ている最中に声を出さないよう、息を殺すので大変でした。(笑)

ニック:まだまだ『ボヘミアン・ラプソディ』を語りつくせないところがあるんじゃないですか、どうです?

一同:なんですか、そのフリは。(笑)

松子:時代背景的にまだまだ同性愛だったり、人種差別が厳しい時代だったじゃないですか。父親に対して「友達だよ」と紹介するのが精一杯で、まだ確執も解消してはいないだろうと。でも横でホッとしている母親の表情も見られて、いろんな人の気持ちが入ったシーンだなと、グッときました。前から気付いていたことが、確信へと変わる。でもダイレクトには言わず、「いいわねぇ」くらいに控えめに言うところとかですね。

ソフィー:レコード契約が決まったシーンでお父さんの手元にフレディの小さい頃の写真があるんですよね。ああ、この子が成功に向かって進んでいくという感慨深さと同時に、今まで自分の手元にいた息子が手を離れていくという寂しさが表現されているなと。

スーパーネイチャー:僕もあのシーンは良く覚えていて、受け止め方がちょっと違いますが、お父さんとしては男の中の男に育てて生きたいのかな、と。逆にあのパーティーの時から、ステージパフォーマンスが女々しい動きをしていたので、父親としてはなぜそんな音楽みたいなナヨナヨしたことをやってるんだ、という気持ちがあったのかなと。でもそれは、人前だし、レコード契約という息子の成功を祝う場だし、表に出せないから、せめて手元の写真に手を添えるくらいしかできないのかなと。

ソフィー:なるほど、いいですね! そういう風に人によって捉え方が違っていて。映画の醍醐味(だいごみ)ですねー。

松子:歌詞もいいですよね。一番は「RADIO GA GA」で、こんなにも私たちに響く歌詞を歌っているんだなと。たぶんフレディが思っていたことが描かれていたかと思うと、余計グッときて。

※「RADIO GA GA」の歌詞

スーパーネイチャー:レディー・ガガはそこから来てるんですが、そう考えるとガガ様は天才だなと。デビュー当時、二十歳くらいだったんですが、そんな若いうちから「私、レディー・ガガにする」と決めた彼女はもう、天才以外の何者でもないなと。

松子:分かります(笑)

ニック:そのほかの映画はどうでしょう?

バラトヒポ:では『パッドマン 5億人の女性を救った男』についてもう少し。こちらもインドの実話ですが、生理用ナプキンについて考えていた男が実際にナプキンを作るんだけど、村から追い出されてしまう。苦労して安く作る方法を考えるんだけど、そこで終わらず、機械を考案して貧しい女性たちに作ってもらう。で経済的に自立を支援する。TEDトークで出ている講演会の動画もとても面白い。その話を聞いて、原作を書いたけど、原作だけじゃ広まらないよね、と映画化されていく。監督は最初、実在の人物だしやりにくいよ、と渋っていたけど、モデルの人と会って実際に話していく中で、構想が出来上がっていったと。その辺も含めて、実話の力は偉大だな、というものです。でもオチはちょっと微妙なところがあるんで、観てください。

ソフィー:映画としてはドキュメンタリー調なんですか?

バラトヒポ:いえ、普通のインド映画ですよ。歌も流れますし。

一同:あははははっ。

松子:個人的に女性の人生をより良くしようというニュースや映画が気になっているので、その一環で見てみたいですね。どんな風に一人の人の人生が変わっていくのかも観たいな。

バラトヒポ:どちらかというと、女性よりも男性に観て欲しい作品かな。カップルで観に行ったら、オトコの方がどんな見方をするのかは、一つの試金石になるかなと。これを観て「何だアイツ」か「こんな風にできるのはスゴイな」と言うかで、付き合い方が変わってきますね。

ソフィー:確かに殿方には使わないというか、縁遠いプロダクトですもんね。

ニック:女性の話といえば『スリー・ビルボード』ですね。公開が2月と結構前ですが、挙げておかなければいけない作品だと思います。

スーパーネイチャー:片田舎で起きる事件だけど、閉鎖性というか、村全体として悪い記憶は忘れてしまおうとしているのが前提にある。それに対して母親が果敢に立ち向かう姿がたくましいですよね。よく言われることですが、トランプ大統領のアメリカになってアメリカでは対立が進んでいる。仲の良い友人でも政治的なことに対しては言及しない、都合の悪いことは見ない、というところに通じているんじゃないかと。そういう中であえて、狼煙(のろし)を上げる、3枚のビルボードを使って「なぜ娘を殺したんだ」と警察署長に問いかける冒頭のシーンが力強かったですね。

ソフィー:アカデミー賞(の主演女優賞)で『シェイプ・オブ・ウォーター』と競って勝ったのは、時代的に女性の強さ、たくましさが反映されたのだなと思いました。受賞するとは思わなかったんですけどね。(笑)

スーパーネイチャー:2004年公開の韓国映画で『殺人の追憶』というのがあって、そちらも片田舎で未解決の殺人事件という点が共通してるんです。もちろん国も背景も違うんですが、僕は『スリー・ビルボード』を女性版『殺人の追憶』と位置づけてます。10年越しにアメリカでもこういう題材で映画が作られるようになったんだなと思うと、感慨深い。

(C) 2017 Twentieth Century Fox

ニック:まだ語っておきたい作品はありますか?

スーパーネイチャー:『ダンガル』も最後まで迷って挙げなかったんですが、僕はてっきりバラトヒポさんが挙げてくれると思ってたんですよね、インド映画だし。(笑)

バラトヒポ:『ダンガル』は良かったんですが、想定内。最後に国家が流れるシーンはやっぱり良かったんだけど、日本の配給が気に入らなくて(笑)。インド映画は長いので、今回も公開にあたって確か20分くらい削られている。一番ヒドいのは邦題、そのままつければいいのに「きっとつよくなる」って、はぁ?ですよ。

スーパーネイチャー:きっとうまくいきそうな副題ですね。

(C) Aamir Khan Productions Private Limited and UTV Software Communications Limited 2016

ピーチ:でもインド映画としては世界No1ヒットみたいですね。中国では『君の名は。』を超えたという。

バラトヒポ:インドでは『バーフバリ』なんですよね、ブッチギリで。で話を戻すと、良かったけどやっぱりフル版が観たいなーと。レスリング映画なんだけど、試合のシーンなどは本当にレスリングをやってるように見えるので、そこの演技というか役作りは高く評価していますよ。

ニック:レスリングつながりで『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』は途中から、トム・クルーズがアントニオ猪木に見えてきました(笑)。なんでコイツはここまでやるのか、という意味で。トム・クルーズは「俺は映画で死ねたら本望だ」と思ってるんじゃないかなと。

松子:私もそう思いますし、ファンとしてはそうあって欲しいです!「M:I」シリーズで死ぬのが俳優トム・クルーズとして最高の幕引きなんじゃないかと。

ニック:トムは高校時代にレスリング部だったけど、今回のアクションは本当にすごかった!

松子:そう! 骨折までしちゃってるし。もともとシーンとしてもジャンプが失敗する予定ではあったんだけど、本当に落ちちゃって。でもそこからカメラに向かってはい上がって、ちゃんとシーンとして撮り終わってから病院に行ったという。そういう部分も含めてトム・クルーズだなと。私たちはそんな彼が好きだし、本人もトム・クルーズを演じていると思うんです。

ソフィー:求められるトム・クルーズ像ということですね。

松子:そう、それを演じ切るのが彼の使命なんだろうなと。だから私たちも劇場に足を運んで、心して観なければ、ってなるんです。(笑)

(C) 2018 Paramount Pictures. All rights reserved.

ニック:続編といえば『アベンジャーズ:エンドゲーム』

ソフィー:『インフィニティ・ウォー』はコミックに忠実に作ってきたので、次回もそうなるんじゃないかと。あのエンディングの後なだけに、どうやって続けるのかなと。

スーパーネイチャー:最後は大団円だろうけれど、どうやってこの状況からそこに持っていくか、きっと逆転に次ぐ逆転が待ってるんだろうなと。有名な話で、もともと『インフィニティ・ウォー』はパート1、2の2部構成で、名前も決まっていたところを、『エンドゲーム』があまりに独立した作品になってきたから、監督たちが方向性含めて切り分けたという。

(C) Marvel Studios 2018

松子:『インフィニティ・ウォー』を映画館で見たときに、思わず「えっ!?」って声が出ました。どうして? これで終わるのって、あっ気に取られました。本当にホークアイが最後まで出てこないから、あれ、見落とした? どこかに隠れてたのかなって思って。でも今回『インフィニティ・ウォー』を見るまでは、ちょっとアベンジャーズ食傷気味だったんですよね。シリーズがいっぱいありすぎて、見るの疲れちゃったんですよ......。でも友達に「今回は私たちが好きだったアベンジャーズが戻ってきたんだよ!」と言われて。ホントに? と思って行ったら「戻ってきたーーー!!!......でも、いなくなったー!」

一同:(爆笑)

スーパーネイチャー:僕はアベンジャーズには要望があって、スパイダーマンはもっと大人な俳優にやって欲しかったんです。少し前まではアンドリュー・ガーフィールドが演じていたけど、大人の都合でトム・ホランドに急に変わっちゃって。『スパイダーマン:ホームカミング』を見た際に、さすがにトム・ホランドはあどけなさすぎるんじゃないか、と首をかしげたんですよね。おまけに作品全体を通してトニー・スタークの出番が多くて、これもうトニー・スタークの映画じゃん、と食傷気味になったんですよね。ただ今回の『インフィニティ・ウォー』では、そのあどけなさを本当にうまく使ってるなと。何よりラスト、あの「消えたくない」と言っていたシーンは鳥肌が立ちましたよ! 表現こそ変えているけれど、あれって子供の死を描いたシーンで、マーベル、ましてやディズニーという看板を背負った上で子供の死が描かれていることに衝撃を受けました。トム・ホランドの演技に「怖い」と本当に思いました。たぶん『エンドゲーム』では戻ってくるだろうけど、戻ってきたら「おかえり!」と拍手で迎えてあげたいくらい、感情移入しましたね。

ニック:それでは、時間も来てしまいましたので、このあたりでお開きとします。みなさん、ありがとうございました。よいお年を!


『ボヘミアン・ラプソディ』
伝説のバンドQUEENのミュージックビデオ配信中!
配信終了日:2019年4月30日

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