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『バジュランギおじさんと、小さな迷子』はタオルを用意して

バラトヒポ
バラトヒポ

好みの映画が日本で公開されることが少ないインド映画好き。興行収入の数字で熱くなれる体質。 ...

『バジュランギおじさんと、小さな迷子』 予告編

この映画『Bajrangi Bhajaan』には、それほど関心を持っていませんでした。
サルマーン・カーンが派手に敵をやっつける、いつものアクション映画だろうとタカをくくっていました。
それだけにアーミル・カーンが絶賛したというインドの写真に驚きました。『ダンガル』の撮影のため、いつもよりズングリした彼は手にしたスポーツタオルで泣きはらした目を拭いていました。 その姿は幾分滑稽で「どんだけ涙もろいのよ」とあきれました。でも、それから数カ月、ネット配信の英語字幕版を一人で観た私は家人から同じようにあきれられました。
そして先日、日本公開版『バジュランギおじさんと、小さな迷子』の試写会でも涙が止まらなくて困りました。
今では予告編を観るだけでも涙が出ます。

(C) Eros international all rights reserved. (C) SKF all rights reserved.

パキスタンの小さな村に住む事故で声が出せなくなった少女が、デリーにある寺院の参拝の後、帰りの列車で母親とはぐれインドに残されてしまいます。迷子となった少女は猿の神様ハヌマーン (別名バジュランギ)のお祭りで踊るパワンに出会います。バカが付くほどの正直者のパワンは少女を見捨てられず、ムンニ(お嬢ちゃん)と呼んで面倒を見ます。 ムンニがパキスタンのイスラム教徒と分かり、パワンは戸惑いますが、恋人に諭され、パキスタンにいる親の元に返すことを決意します。

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インドとパキスタンはお隣同士。公用語のヒンディー語とウルドゥー語は文法や主要な単語が共通なので基本的な話は通じます。
ただインドではヒンドゥー教徒が多数派、パキスタンではほとんどの人がイスラム教徒。宗教が違うと食べるものやあいさつの仕方など習慣が違います。
両国は以前、イギリス領インド帝国として1つでした。しかしイギリスから独立運動の途中からヒンドゥー教徒とイスラム教徒の対立が激化。イスラム教徒が多い地域はパキスタン、それ以外はインドとして分離独立。その後、両国は対立と融和を繰り返し、時には戦火も交えてきました。そのためお互いの国に行くことは容易ではありません。酔って国境を越えてしまったというインドの農民がパキスタンで爆弾テロに関与疑いで逮捕され、20年以上拘束された末、刑務所内の暴力事件で死亡するという事件もありました。

そのためパスポートも持たないムンニをインドからパキスタンに連れて行くのは至難の業。しかもウソがつけないパワンの性格は笑いも呼びますが、時に余計なトラブルも引き起こします。しかしその愚直さ、ひたむきさが次第に周りの人たちを変えていきます。
またイスラム教に違和感を持っていたパワンも変わっていきます。

現実には、この映画が公開された翌年、パキスタンに拠点をおく軍事勢力によるインド軍基地の襲撃、インド軍によるパキスタン領内への「局所攻撃」で両国関係は冷え切ったまま。それだけにラストシーンは心に刺さります。

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ムンニを演じたハルシャーリー・マルホートラのかわいらしさは格別。
パワンの純粋さにひかれ、時には叱る恋人ラスィカーはカリーナ・カプール、スクープを狙って追っているうちにパワンを助ける記者はナワーズッディーン・シッディーキー、途中で出会うモスクの老師はオム・プリと役者もそろっています。
脚本は『バーフバリ』シリーズのK.V.ヴィジャエンドラ・プラサード。
去年の「バーフバリ」に代わって今年は「バジュランギ・バイジャーン」と叫ばせます。

インドで公開されたものと同じ159分間は笑い、ダンス、雄大な景色、美しい音楽とテンコ盛り。
観るときはタオルをお手元にお忘れなく。

『バジュランギおじさんと、小さな迷子』
Yahoo!映画 作品詳細ページへ

同作品主演サルマーン・カーンが出演している『ダバング 大胆不敵』GYAO!ストアで配信中

(C) Eros International Ltd.

『ダバング 大胆不敵』配信期間:~2020年3月29日

『ダバング 大胆不敵』
GYAO!ストアで観る
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好みの映画が日本で公開されることが少ないインド映画好き。興行収入の数字で熱くなれる体質。

記事はここで終わりです。

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