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女の幸せとは。ドキュメンタリー映画とは。『私は、マリア・カラス』

アカリ
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恋愛映画&人生映画が大好物。大学時代に観る専だと勘違いして入った映画研究会で、自主制作映画の女優をや...

『私は、マリア・カラス』 予告編

――― ドキュメンタリー映画はウソが描けない。かといって、事実には絶対に勝てない。

私が大学の映画研究会に所属していたとき、ドキュメンタリー映画しか撮らない女性の先輩がいた。
「なんでドキュメンタリーしか撮らないんですか?」と聞くと、「だってホントのことしか撮りたくないじゃない」と彼女は言っていた。

『私は、マリア・カラス』を観て、そんな監督の気持ちが分かった気がした。

(C) 2017 - Elephant Doc - Petit Dragon - Unbeldi Productions - France 3 Cinema

この作品は、マリア・カラスという題材をドキュメンタリーのテーマに据えた時点で、ほとんど映画として成功している。
彼女の人生自体が、美しくて悲しい、歌とストーリーにあふれているからだ。

マリア・カラスは、20世紀最高のソプラノ歌手と言われたディーバだ。
故ケネディ米大統領の妻ジャクリーン・ケネディと再婚した海運王オナシスの恋人。
絶大な人気を誇るオペラ歌手でありながら、スキャンダルやバッシングにまみれたキャリアを重ね、愛と熱情に生きた女性。

彼女を形容する華やかな言葉は、数限りなく存在している反面、
ある一定のレッテルのようなものが貼られていたようにも思う。

(C) 2017 - Elephant Doc - Petit Dragon - Unbeldi Productions - France 3 Cinema

『私は、マリア・カラス』は、それらのレッテルを否定するわけではないけれど、あくまで、マリア・カラス自身の言葉で語ることにこだわった作品だ。

中心となるのは、マリア自身が残した未完の自叙伝の朗読と、1970年にニューヨークで受けたインタビュー。

(C) 2017 - Elephant Doc - Petit Dragon - Unbeldi Productions - France 3 Cinema

「マリアとして生きるには、カラスの名が重過ぎるの」
「最初は母に、結婚してからは夫に、歌を歌わされた」
「幸せな家庭を築いて子供を産みたかった」

仕事や家庭や女としての人生を語る彼女の言葉は、今の時代の女性にも共感できる内容ばかりだ。

マリアの言葉以外に劇中で彼女の人生を物語るのが、プライベートフィルムや彼女が歌う楽曲の数々だ。

(C) 2017 - Elephant Doc - Petit Dragon - Unbeldi Productions - France 3 Cinema

「私は夫よりもオナシスを愛していました」と言葉で語るのではなく、
オナシスと船上でバカンスを楽しむマリアの表情をスクリーンいっぱいに捉える。それが全てを語っている。

カラス自身が「私の自叙伝は歌にある」と語っていたように、数々のアリアの歌詞が彼女の人生、彼女の気持ちそのものを表している。
(※アリアとは、オペラでの独唱パート。一番の聞かせどころのこと。)

(C) 2017 - Elephant Doc - Petit Dragon - Unbeldi Productions - France 3 Cinema

劇中では、カラスがオペラのいろいろな演目を演じているシーンが登場するが、映画の最後は、オペラではなくコンサートで歌われたアリアで締めくくられる。

(C) 2017 - Elephant Doc - Petit Dragon - Unbeldi Productions - France 3 Cinema

もう、舞台セットも衣装もいらない。
マリア自身が、「マリア・カラスの人生」というオペラ作品の主役だったと語っているようだ。

激しすぎる人生。

私たちも、平凡な日常の中で、ドレスアップして誰かのアリアを聴きに行くのではなく、自分の人生を歌や映画にしていけたら、いいのにね。
マリア・カラスのように。

映画『私は、マリア・カラス』をもっと詳しく
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恋愛映画&人生映画が大好物。大学時代に観る専だと勘違いして入った映画研究会で、自主制作映画の女優をやらされた経験アリ。『Lolita(1997)』『SATC』大好き。

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