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日本でインドの映画館を味わう『Gully Boy』の上映会

バラトヒポ
バラトヒポ

好みの映画が日本で公開されることが少ないインド映画好き。興行収入の数字で熱くなれる体質。 ...

気になる映画は、なるべく早く観たいもの。
でも、日本のインド映画好きにとっては、それは簡単なことではありません。
気になる作品をネットで見つけても、日本で公開されるインド映画はほんのわずか。
それも本国での公開から早くても数カ月遅れ、場合によっては数年かかります。
多くの作品が東南アジア、中東、イギリスやアメリカでも公開されていますが、
映画を観るために海外になんて気軽には行けません。

しかし、状況は変わりつつあります。
いくつかの国内の団体が、インド映画の上映会を開催し、その数が増えてきているのです。
主なターゲットは日本在住のインド人。そのため字幕は英語。
作品も上映回数も限られますし、普通の情報サイトには載らないので、主催団体の情報をチェックする必要があります。
それでも、いち早く観ることができるメリットには代えられません。
先日、そうした団体のひとつ「SpaceBox」の上映会に行ってきました。

上映開始の20分前に会場だったイオンシネマ市川妙典に到着すると、ロビーはまるでインド。
夜8時から2時間半、終演は11時近いのに子供連れが多いのは意外でしたが、家族そろって映画を観るのを楽しみにしている様子がうかがえました。

撮影:バラトヒポ(劇場ロビー)

受付でネット予約したことを告げ、座席指定して料金を払いチケットを受け取ります。
この日の料金は一人2500円。よく利用する50代夫婦割の二人分よりも高いのですが、空港に行くまでの交通費よりも安いと納得させます。

撮影:バラトヒポ(『Gully Boy』チケット)

5分前に場内に入ると、日本人は半数ほど。インド映画に関心を持つ人が増えているのか、いつもより多く感じました。
ほどなく暗くなり、予告編もなく上映が始まりましたが、本編から入場してくる人が少なくありません。
それもスマホを懐中電灯代わりにして、ガヤガヤ入ってくるインド流。
でも大丈夫、映画の中身は始まっていません。
スクリーンには制作会社、音楽の配給、ストリーミング配信、撮影に使ったサービスや商品、プロモーションに協力したラジオ局やさまざまなメディアのロゴが映されています。
以前は「インドの映画作りには多くの会社がかかわっているんだなぁ」と感心していたのですが、こうして遅れて入って来る人の対策の意味もあるのかもしれません。
ロゴが終わる頃には落ち着きました。

撮影:バラトヒポ(『Gully Boy』ポスター)

さて今回の映画『Gully Boy』は、ムンバイの大学生がラッパーとして成功するまでの物語。
「インドでラップ?」と不思議に思うかもしれませんが、インドでもヒップホップは人気があり、この作品も実在のラッパー数人をモデルにしています。
「Gully」はヒンディー語で「通り」という意味。
映画の主な舞台であるムンバイのスラム街ダラヴィの路地をさしています。

写真:ロイター/アフロ

密集する汚れた家々、魂が抜けたような顔の人々、犯罪に手を染める友人、貧しく崩壊寸前の家族関係。
その中でも「Apna Time Aayega」(自分の時が来る)とつぶやく主人公ムラード。
ランヴィール・シンがいつものアクの強さを抑えて好演。
ラップの世界に引き込むMC Sherのシッダーント・チャトゥルヴェーディーとともに見事なラッパーぶりでした。
アーリヤー・バットが演じた、ヒジャブ姿でおとなしそうに見えて一途な激しさと意志の強さ、したたかさを備えた恋人サフィーナも魅力的。問題も夢も含めたムンバイの今の姿を伝えてくるような作品でした。

今回は華やかなダンスシーンはなし。
曲の終わりでは拍手が起きましたが、上映会ではよくある観客からの歓声や指笛はありませんでした。
そうしたノリの良さなら南インド映画の上映会を選ぶほうが確実です。
騒がしい観客、切り替えが早すぎる英語字幕とゆっくり鑑賞したい人向きではありません。
でもそれも含めて、インドの映画館の雰囲気を味わいたい人には、おすすめです。

映画『Gully Boy』キャストのInstagram

ムラード(Murad)役 ランヴィール・シン(Ranveer Singh)

https://www.instagram.com/ranveersingh/ (外部サイト)

サフィーナ(Safeena)役 アーリヤー・バット(Alia Bhatt)

https://www.instagram.com/aliaabhatt/ (外部サイト)

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好みの映画が日本で公開されることが少ないインド映画好き。興行収入の数字で熱くなれる体質。

記事はここで終わりです。

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