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40年間封印された伝説のフィルム『風たちの午後』

アカリ
アカリ

恋愛映画&人生映画が大好物。大学時代に観る専だと勘違いして入った映画研究会で、自主制作映画の女優をや...

ディープな映画の世界へようこそ。
映画好きな人が、最後に行き着く映画界の最深部。......それが自主制作映画である。

『風たちの午後』は、『三月のライオン』(1992)、『ストロベリーショートケイクス』(2006)、『無伴奏』(2016)で知られる矢崎仁司監督が、日大在学中の40年前に仲間たちと撮った自主制作映画だ。
当時数々の映画祭で取り上げられたようだが、音楽の著作権問題で上映ができず、長い間封印されてきた。
そして2019年、デジタルリマスター版として修復され、40年の時を経て今、劇場公開されている。

(C) 2019 映画「風たちの午後デジタルリマスター版」製作委員会

主人公の夏子(ナツ)と美津(ミツ)は女の子同士。
かわいらしい子猫みたいなナツは、サバサバした奔放なミツにひそかに想いを寄せている。
ただそれだけのシンプルな愛の物語。
......けどこれが2019年的には、LGBT、同性愛、ストーカー、衝撃の問題作! ということになるのだろうか。

(C) 2019 映画「風たちの午後デジタルリマスター版」製作委員会

まだLGBT、同性愛、ストーカーとかいう名前が存在していなかった時代に、登場人物たちの純粋な気持ちや行動をカメラにおさめていたら、こんな感じになりました、というような、ものすごく素直でストレートな作品である。

(C) 2019 映画「風たちの午後デジタルリマスター版」製作委員会

何を隠そうアカリも、大学時代に映画研究会で自主制作映画の女優をやらされたことがあるのだが、自主制作映画って、本当に、濃い。濃ゆい。

撮りたい! っていう監督の強すぎる思いや衝動に突き動かされて、いろいろな人が巻き込まれていくのだけれど、なにせ監督の恥ずかしすぎる熱い妄想が凝縮されていることがほとんどだ。だからそれをカメラに収めた途端に陳腐化が始まって、上映するときには「うわーハズカシイ」となるのが常だ。(友達の監督、ごめん)
監督もクルーも演者もプロではないので、画像ブレてたり、アフレコの声と口がずれてたり、そもそも演技が下手だったり。(ああ、私の出演作品のフィルムがまだ現存していたら、どうか焼き払って欲しい。。)

でも、この『風たちの午後』は、すごすぎる。
自主制作映画にしては、キラリと原石が光りすぎている。
悲しいくらいに連鎖するいくつもの片想いを淡々と描く脚本。
かわいさと陰鬱さを両立させている女優さんの演技。
耳に残る美しいピアノの旋律。
ささやきのようだけれども意思のある音たち。(ホントに音量を絞っているので、劇場では覚悟して観てください!)

そして、それらを奇跡みたいにまとめている、印象的過ぎるカットの数々。
40年間たっても、作品の輝きは全然色あせていない。

(C) 2019 映画「風たちの午後デジタルリマスター版」製作委員会

自主制作映画というものに興味を持たれた方はぜひ、映画祭やコンペをのぞいてみたり、大学の学祭で映画研究会の上映会をのぞいてみたりしてくださいね。
最近はネット上で作品を公開しているケースも多いです。

(C) 2019 映画「風たちの午後デジタルリマスター版」製作委員会

当時の矢崎監督のように、新進気鋭の若い監督さんたちの映画作品が、もっともっと世の中に出てきますように。
日本映画界の未来は、いつだって明るいのだ。

(C) 2019 映画「風たちの午後デジタルリマスター版」製作委員会

映画『風たちの午後』
Yahoo!映画で作品詳細を見る

矢崎仁司監督作 映画『無伴奏』がGYAO!で無料配信中

(C) 2015 「無伴奏」製作委員会

出演:成海璃子 池松壮亮 斎藤工 他

映画『無伴奏』(R15+)を無料で視聴する
配信終了日:2019年3月31日 23:59

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アカリ
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恋愛映画&人生映画が大好物。大学時代に観る専だと勘違いして入った映画研究会で、自主制作映画の女優をやらされた経験アリ。『Lolita(1997)』『SATC』大好き。

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