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映画『ロボット2.0』は映像によるDoS攻撃

バラトヒポ
バラトヒポ

好みの映画が日本で公開されることが少ないインド映画好き。興行収入の数字で熱くなれる体質。 ...

10月27日に成田からチェンナイへ直行便が就航。週3便とはいえ南インドへは日本から初めての直行便。ますますインドが身近になってきています。

チェンナイはタミル語映画=コリウッドの中心地。そして『ムトゥ 踊るマハラジャ』で有名なラジニカーントのお膝元。
「彼の映画が好き」と言えば、目を真ん丸にして深くうなずかれ、タクシー運転手からは「以前乗せた日本人はラジニの歌をタミル語で歌ったぞ」と言われました。そのスーパースター ラジニ様主演作品『ロボット 2.0』が公開されています。

インドで街中のスマートフォンが一斉に飛び去ってしまうという事件が発生。
やがて無数のスマートフォンが合体し、巨大な鳥となって人間を襲い始めます。
それを食い止めるため、ラジニ様演じるバシー教授は封印されたロボット「チッティ」を再稼働させます。

製作費は57億ルピー、約90億円とインド映画の歴代トップ。
それまでトップだった『バーフバリ』の2本合わせた43億ルピーを大きく上回り、年間は抜かれもそうもありません。
世界全体で86億ルピーの興行収入をあげ、2018年のインド映画最大のヒット。前作『ロボット』の3倍近い興行収入を上げました。

(C) 2018 Lyca Productions. All rights reserved.

そんなヒット作なのですが広く紹介するのは正直ためらいます。
まず前作のダイジェスト映像があるものの、説明はほとんどありません。

さらに巨大な鳥が生まれた経緯は出てきますが、その巨大な力の原理について合理的な説明はありません。強引に話を進めていきます。
しかし、その強引さこそ、この作品の真骨頂。
前作と同じシャンカル監督らしさといえます。
中でも目を引くのはCG。膨大な数の緻密な絵をズラリと並べるのがシャンカル流。集合体恐怖症の人には悪夢のような映像かもしれません。製作費が高くなったのも納得です。

しかも、力を入れているはずのCG以上に圧倒的な映像が別に入っています。不意を突かれて涙が出ました。

(C) 2018 Lyca Productions. All rights reserved.

『ロボット2.0』はサイバー攻撃の手法の1つ「DoS攻撃」に似ています。
DoS攻撃では大量のリクエストを送りつけるなどして、サーバーやネットワークに過剰な負荷をかけ、動作をおかしくさせたり、停止させようとします。
この作品も圧倒的な映像の連続で思考を停止させ、感情を溢れさせようとしてきます。
チェンナイで見たヒンズー教寺院の門を思い出しました。遠くで見ると色鮮やかに彩色されただけのように見えたのですが、近づくと神様の像がびっしり。
適切な言葉が浮かばず、ただ「すげぇな」としか言えませんでした。
チェンナイ育ちのシャンカル監督にとっては自然なことなのかもしれません。

撮影:バラトヒポ

自然と最新技術の対立とか細かい意味付けを考えるより、90億円のやりたい放題に圧倒されて、「しょうがねえなぁ、シャンカルは」とニヤニヤ笑いながら映画館を出てくる、そんな作品です。

もし本作が気に言ったら前作の『ロボット』や『マッスル 踊る稲妻』もおすすめです。クセが強い分、そのドライブ感にハマれば病みつきですよ。

『ロボット2.0』予告編

前作『ロボット』3分で総復習!ダイジェスト映像

映画『ロボット2.0』
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