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共感しがたい醜さをもつ登場人物たちが最後にみせたもの『彼女がその名を知らない鳥たち』

アカリ
アカリ

恋愛映画&人生映画が大好物。大学時代に観る専だと勘違いして入った映画研究会で、自主制作映画の女優をや...

恋愛映画をたくさん観ていると、鑑賞中にどうしても、自分の中での恋愛映画カテゴライズを始めてしまうことってないだろうか?

2人を引き離そうとする幾多の試練を乗り越えて、究極の愛に行きつく『ロミオとジュリエット』型、あるいは『タイタニック』型。
最後結ばれないんだけれど、ちょっと違った形で2人だけの絆を確認する『ローマの休日』型、あるいは『ラ・ラ・ランド』型。

『彼女がその名を知らない鳥たち』は、ちょっとカテゴライズに困った作品である。

一般的に、人は誰かと恋に落ち、結ばれて、一緒に暮らし始めて、結婚したり、家庭を築き上げたりする。
しかし、本作品の主人公である十和子(蒼井優)と陣治(阿部サダヲ)は、恋人とは言えなさそうな関係だが同居している。結婚や家庭からは程遠い感じで、陣治が汗水たらして稼いできたなけなしのお金で、十和子は妻子ある男性と体を重ねている。そして陣治はそれを分かっている。

でも、これはまぎれもなく恋であり、愛の映画なのである。

......そもそも、「自分にとってなんでもない人」と、「好きな人」と、「恋人」と、「家族」の違いはそれぞれ何なのだろうか。
恋愛相談の回答でよく「そんなことしたら負け」とか言われるけれど、恋愛における勝ち負けって何なのだろうか。

そんなことを、十和子と陣治の2人がすべて吹き飛ばしてくれる。

(C) 2017映画「彼女がその名を知らない鳥たち」製作委員会

この作品に登場する人たちは、みんな醜い。
でもだからこそ、そこで描かれる恋や愛が、とても美しく思える。

「桜の樹の下には屍体が埋まっている!」というのは梶井基次郎の短編小説の有名な一節だが、『彼女がその名を知らない鳥たち』においては、十和子と陣治が、私たちのありとあらゆる醜い部分を肩代わりして、最後にものすごく美しい風景を見せてくれている、と思えば合点がいく。

醜いから美しいのだ。
醜ければ醜いほど、美しいのだ。

きっと自分の中では処理しきれないほどの、見たこともない「愛」のかたちを、ぜひ堪能していただきたい。

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アカリ
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恋愛映画&人生映画が大好物。大学時代に観る専だと勘違いして入った映画研究会で、自主制作映画の女優をやらされた経験アリ。『Lolita(1997)』『SATC』大好き。

記事はここで終わりです。

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