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『今際の国のアリス』の描く渋谷で、生きる意味を考えた

アカリ
アカリ

恋愛映画&人生映画が大好物。大学時代に観る専だと勘違いして入った映画研究会で、自主制作映画の女優をや...

渋谷の街から、突如として人が消える。
そんなゾッとするシーンから物語が展開する、Netflixオリジナルシリーズ『今際の国のアリス』。

Netflixオリジナルシリーズ「今際の国のアリス」Netflixにて全世界独占配信中
(c) 麻生羽呂・小学館/ROBOT

実は、街から人が消えるという設定は、私たちにとって完全に新しいものという訳ではない。
今からちょうど20年前の2000年、誰もいない東京の街を集めた写真集が発表され話題になったことがあった。
そして2020年。私たちは東京から本当に人が消えるという状況を経験した。

しかし、同じような設定の中でも、『今際の国のアリス』はちょっと別次元だ。
あまりに卓越したVFXと美術のおかげで、あまりにリアルに再現された(というかもはや再構築・再創造と言った方が適切かもしれない)「現実の渋谷」は必見で、
人のいない渋谷・東京が、もはや現実なのか虚構なのか、私たちの感覚を全くあやふやにしてしまう。

Netflixオリジナルシリーズ「今際の国のアリス」Netflixにて全世界独占配信中
(c) 麻生羽呂・小学館/ROBOT

実際に渋谷を歩いたことがある人ならば、
冒頭の渋谷のシーンを観てしまったら最後、どこからどこまでがロケで、あるいはセットで、あるいは合成なのか、全く分からなくなってしまうと思う。
もう、そうなるとおしまいだ。

Netflixオリジナルシリーズ「今際の国のアリス」Netflixにて全世界独占配信中
(c) 麻生羽呂・小学館/ROBOT

見慣れた渋谷の街の看板、入り組んだ道の一本一本。
現実の世界で渋谷に存在するはずの「リアル」の手がかりをいつの間にか見失い、
どこからどこまでが現実で、映画で、フィクションなのか、分からなくなってしまう。

ストーリー自体も実に巧妙。
それぞれに現実的な悩みを抱えた登場人物たちが、
「絶対にありえない設定」に引きずり込まれて、突如として生きるか死ぬかの状況に追い込まれる。

Netflixオリジナルシリーズ「今際の国のアリス」Netflixにて全世界独占配信中
(c) 麻生羽呂・小学館/ROBOT

いやいやいや、いきなり生きるか死ぬかって言われても......!
とは思えど、よく考えたら現実の世界だって実はそんな状況と言えなくもないのでは? と考えたら最後。

「絶対にありえない設定」だったはずの架空のストーリーが、ものすごく残酷な現実味をもって、私たちに迫ってくる。

Netflixオリジナルシリーズ「今際の国のアリス」Netflixにて全世界独占配信中
(c) 麻生羽呂・小学館/ROBOT

私たちが生きているこの現実は、どこにあるのか。
私たちは、なぜ生きているのか。
何のために息をして、お腹が空いて、"げぇむ"して、他人と会話するのか。
私が信じているあの人は、何者なのか。

Netflixオリジナルシリーズ「今際の国のアリス」Netflixにて全世界独占配信中
(c) 麻生羽呂・小学館/ROBOT

「あたりまえ」が当たり前でなくなっている今だからこそ、
ややグロテスクな内容ながらも、めちゃめちゃスリリングな内容に引き込まれて、答えを探すように一気見してしまう。

Netflixオリジナルシリーズ「今際の国のアリス」Netflixにて全世界独占配信中
(c) 麻生羽呂・小学館/ROBOT

このシリーズを観終わったあと、本当の渋谷を歩いてみたら、
もう、どちらが本当の渋谷なのか分からなくなった。
人がたくさんいる渋谷が「ほんとう」なのか、人がいない渋谷が「ほんとう」なのか。

そもそも、東京の街は、美しい。
人の手で作られた建築物や造形物にあふれているから、生身の人間がいなくとも人の気配を感じるのだ。

『今際の国のアリス』も、どんなに残酷で悲しいシーンだったとしても、作り手や演者、一緒に共感しているであろう他の観客の「生き抜きたい」という想いを感じて、普遍的な問いに繰り返し考えさせられることになる。

私たちが生きているこの現実は、どこにあるんだっけ。
私たちは、なんのために生きてるんだっけ。

現実から少し離れて、現実のことを深く考えてみるのも、いいものなのかもしれない。

Netflixオリジナルシリーズ「今際の国のアリス」Netflixにて全世界独占配信中
(c) 麻生羽呂・小学館/ROBOT

Netflixオリジナルシリーズ『今際の国のアリス』Netflixにて12月10日より全世界独占配信

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恋愛映画&人生映画が大好物。大学時代に観る専だと勘違いして入った映画研究会で、自主制作映画の女優をやらされた経験アリ。『Lolita(1997)』『SATC』大好き。

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